サブスペの指導医とは
デルマ侍です。
専門医試験や、専門医制度もろもろわかりにくいですよね。
もっと簡潔にしてほしいな〜
前回普通の指導医と難病指導医のお話しをしましたが、
実はもう一つ指導医があるので、ご説明します。
それは、
サブスペの指導医:悪性腫瘍、美容皮膚科・レーザー指導専門医があります。
もっとわかりやすいネーミングをつけてほしいものです・・・。
普通の指導医
普通の、といったらあれなんですけど、
普通の指導医。
これは、専門医試験をうけて、「指導医講習会」というものを受ければ指導医になれます。
この指導医、どういったところで役に立つか、というと、
一番はシーリング!です。
皮膚科は結構都心部ではシーリングが厳しいと思いますが、
シーリングでは、
・前年度の入局実績(募集に対して全員入ったか、定員割れしたか)
の他、
・指導医の数
が重要となっています。
医局全体がかかえる指導医の数が少なければ、入局募集も多く取れないのです。
大体は大学が主管として、プログラム参加病院(派遣先、出張・出向先病院を含めて)全体の指導医数でカウントされています。
開業されてプログラムから外れる先生もいらっしゃいますしこの数は結構大事。
専門医試験に無事合格され、指導医講習会を受けて医局所属の先生方は医局長にご連絡を〜医局の犬〜
また、病院によっては、「指導医がないと部長になれない」ことがほとんどです。
皮膚科の専門医受験前の準備期間中、専攻医を預かる以上、派遣先の病院の科のTOPは指導医でないといけないことに、機構専門医制度で決まっています。
部長になりたくなければ指導医講習会をうけないという手も・・・〜医局の反逆者〜
難病指導医
他に、難病指導医があって、これは難病申請、1年おきの調査票の記載ができるかできないかになります。大抵大きな病院の部長はなっていますね。
サブスペの指導医
サブスペの指導医。
これは、通常の皮膚科専門医試験を受けたその先で、皮膚科学会が認定しているサブスペ、プラスアルファの資格になります。
美容皮膚科・レーザー指導専門医
と
皮膚悪性腫瘍指導専門医
になります。
いずれも、にっぴかいと別に学会に所属し5年研修をつみ、症例レポートを提出して、試験に合格しなければなりません。
美容皮膚科・レーザー指導専門医
美容皮膚科・レーザー指導専門医の決まりは次のようになっています。
1.美容皮膚科・レーザー指導専門医受験申請書
2.日本美容皮膚科学会,日本臨床皮膚外科学会,日本皮膚外科学会,日本レーザー医学 会,日本レーザー治療学会のいずれかの学会が発行する 5 年以上の学会在籍証明書(書式は各学会に一任)
3.美容皮膚科・レーザー治療症例の診療実績一覧表
4.研修単位一覧表
5.業績(学会発表・原著論文・著書)目録および業績(写)
美容皮膚科・レーザー指導専門医の認定は,書類審査および認定試験によって行う.
認定試験は,筆記試験および口頭試問による.
レーザー指導専門医も、必要な症例を集めるために決まった施設でないといけなかったはずです。(あまり詳しくないのでごめんなさい)
皮膚悪性腫瘍指導専門医
皮膚悪性腫瘍指導専門医の要件も次のようになっています。
1. 申請期限の日を含めて,5 年以上継続して日本皮膚悪性腫瘍学会,日本皮膚外科学会 あるいは日本臨床皮膚外科学会の会員であり,
これら 3 学会ならびに他の癌関連学会 (日本癌治療学会,日本臨床腫瘍学会,日本癌学会,日本リンパ網内系学会)の学術集会出席回数が 5 年間にあわせて 3 回以上あること
2.所定の修練指針に従って,別に定める認定研修施設において, 教育医の指導のもとに,通算 5 年以上の皮膚悪性腫瘍診療の臨床経験を有すること.
3.本会が主催する必須研修会に 5 年間で 2 回以上出席すること
4.皮膚悪性腫瘍指導専門医認定に要する研修単位は,研修会・学術集会の出席をもって 取得すること
5.皮膚悪性腫瘍指導専門医認定に要する総単位数に関しては 100 単位以上取得すること
6.過去 5 年間に皮膚悪性腫瘍に関する学会発表(別表 1 に挙げる学会)ならびに論文発表があわせて 7 報以上あること.このうち,原則として皮膚悪性腫瘍を主題とした筆頭論文(corresponding author を含む)が 1 編以上,筆頭学会発表が 1 報以上あるこ と
皮膚悪性腫瘍指導専門医の認定は,書類審査および認定試験によって行う
認定試験は,筆記試験および口頭試問による.
悪性腫瘍のほうがいろいろと細かく規則がありますね。認定の期間は決まった施設に居続けないといけませんし、更新にもそのようになります。
結構厳しいです。
おわりに
いかがでしたか?
講習を受ければとれる「普通の」指導医
書類を都道府県にだせばとれる難病指導医
5年間の研修と別に試験がある指導専門医
について説明させていただきました。
またお読みいただければ嬉しいです。
ありがとうございました。
爪のトラブルで来院する患者さんがいたら
デルマ侍です。
今日は爪について。
過去にこのような記事も書きました。
爪があたって痛い
爪があたって痛いんです、そんな主訴で患者さんが来院されること、ありますよね。
でもみてみると、巻き爪は軽度、陥入していないし、炎症はおきていない。なんで痛いの?
そんなことありませんか。そんな患者さん、こんな爪ではないですか?↓
実はこれ、onychophosis 爪床角質増殖といいますが、この角質が増えているだけでも痛いのです。
この増えている角質の肥厚をニッパーの先や鑷子、もしくはキュレットでとってあげるだけで、患者さんは痛みから解放されます。
皮膚キュレット|メディカル|商品について|キッチン用品・美容用品の貝印株式会社
Onychocryptosis :Nicole M. DeLauro, BS Thomas M. DeLauro,DPM
DOI:https://doi.org/10.1016/j.cpm.2004.05.009
爪が切れない
爪が切れないんです。なんとかしてください。
そんなふうにくる患者さんもいますよね。
たいていこんな爪。
onychogryphosis 爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)
オニコグリフォーシス
魔女の爪、わしの爪、なんていったりしますね。
Onychogryphosis (verdikte en krom uitgroeiende nagel)
こういった爪は、ニッパーでうまく爪甲の層の部分に亀裂を入れながら切ったり、ドリルなどを利用して削っていきます。
また、爪白癬を合併していることもあります。
わん曲が強くなく、肥厚しているだけであれば、厚硬爪甲(こうこうそうこう)といいます。
巻き爪と陥入爪の違い
巻き爪と陥入爪は同じではありません。
巻き爪は爪が巻いていること。 英語はpincer nail
陥入爪は、爪が食い込んで=陥入して 炎症をきたしている=爪の周りが赤い、痛い、腫れている、肉芽がある そんな状態をさします。 英語はingrown nail
巻き爪が陥入爪になることもあれば、巻いていないのに陥入爪になることもあります。
巻いていないのに陥入爪になるパターンは、扁平な薄い爪で若年者に多いです。
おわりに
いかがでしたか。爪って結構患者さんはくるのに、よくわからず、困った、そんなことも多いのではないでしょうか。
こんな記事も書いています。
爪の勉強もしていきたいです!
twitterもしています。
精製度の高いサンホワイトが使用されている軟膏は、
— デルマ侍 (@DermaSamurai) November 29, 2021
・アンテベート軟膏
・ロコイド軟膏
・キンダベート軟膏#皮膚科専門医試験
お読みいただきありがとうございました。
専門医試験も終わったばっかりなので、臨床に即したこととかも増やしていけたらいいなあと思っています。
解説して欲しいテーマ募集中。
難病指導医とは
デルマ侍です。
今日は難病指導医について。
以前皮膚科の指導医について、このような記事を書きました。
難病指導医とは
難病指導医とはなんぞや。
難病といわれる、皮膚科でいえば、天疱瘡や膠原病の疾患について、
患者さんから頼まれたり、年に1回、書類(臨床調査個人票)のようなものを下書きしたり、
天疱瘡の診断がついたときに市役所にいって難病申請をするように患者さんにお話ししたり。
そんなところでなんとなく知っているけど詳しくは知らない
そんな先生もおられるでしょうか。
難病指導医には正確には2つあり、
難病指定医と協力難病指定医
があります。
難病指定医:新規申請及び更新申請に必要な臨床調査個人票を記載することができる医師
協力難病指定医:更新申請に必要な臨床調査個人票を記載することができる医師
になります。
指定医療機関
指定医療機関というものもあり、
難病の受給証をもっている患者さんは、この指定医療機関で受けた医療について補助がおりる仕組みになっています。指定医療機関以外での診療には補助はおりません。
難病指導医になるには
難病指導医になるには。
皮膚科専門医になったのち、所属している医療機関の事務などを通じて都道府県知事に申請書を出せばなれます。
診療を5年以上従事しているもの、という条件は皮膚科専門医であればクリアしていますので、問題ありません。
もちろん、皮膚科専門医も厚生労働省が定める難病指導医の条件を満たしています。
もしくは
都道府県知事が指定する研修を受けていて、医師5年目以上であれば(初期研修2年を含む)申請できることとなっていますが、実態としてこの研修がよくわかりません。
申請については、各都道府県に問い合わせたり、HPからダウンロードできます。
病院の事務方が手伝ってくる場合もあるかもしれませんね。
おわりに
いかがでしたか。参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
noteでも皮膚科専門医試験の情報を発信中です。
またお立ち寄りいただければ嬉しいです。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いします。
2014年平成26年度皮膚科専門医認定試験 備忘録
2014年平成26年度皮膚科専門医認定試験 備忘録
デルマ侍です。
本記事の重要ポイントは、2014年の講評で、皮膚科専門医試験の出題方針が
・日本皮膚科学会雑誌の原著
・セミナリウム
・JDに掲載された症例
・診療ガイドライン
・講習会テキスト
から出題と書かれている点です。
詳しくみていきます。
まずは日程から。
2014年平成26年度皮膚科専門医認定試験
2014年の皮膚科専門医試験は、
2014年8月3日日曜日
場所は東京の都市センターホテルでした。
例年と変わらず。
合格率
受験生は247名
男性97名 女性150名
合格者は男性 73名 女性118名
合格率は合計77.3%
男性75.3% 女性78.7%
受験日は8月で、皮膚科専門医試験の認定は10月1日からです。
支部別の合格率は、
このような記事も書いています。
専門医試験の中身
午前中に筆記試験、午後に口頭試問がありました。
(※2018年を最後に、口頭試問は現在廃止されています)
筆記試験 選択問題86問、記述問題14題
面接問題19題(5カテゴリー) でした。
※ここの年代は毎年各セクションごとの出題数が変わっています。
(問題数は2019年から選択100題、記述20題となっています)
合否の基準については触れられていませんでした。
しかし、口頭試問での「コミュニケーション能力の有無」も評価対象で、「声が小さいあるいは聞こえないのは困ります」と書かれています。
採点除外
1問あり
識別率マイナス 脂腺癌「皮膚腫瘍に関する出題」
日皮会誌 118(7).1247-1252,2008を読んでくださいというメッセージも
なお、ここの講評メッセージからは、
「受験者には筆記試験に1点加点し、満点をそのまま100点とすることにしました」
と書かれていました。
筆記試験では、選択と記述では、配点割合が違うのではないか、との噂もあります(選択1点、記述2点など)が、
このあたりの年度では、1:1 で
記述と選択での点差はないことがわかります。
しかし、最近の専門医試験でも記述と選択に点差がないかどうかは不明、です。
公開されていないので。
まして、
合格基準も、記述と選択で別々のカットオフラインがあるのか、合計点数でのボーダーなのかも不明です。
ただ、侍の個人的な見解としては、
「口頭試問と筆記試験があったときは、おのおのにカットオフがあり、どちらかが著しく悪い場合は不合格」
「筆記試験のみとなった現在は合計得点でカットオフ。点数も1点ずつ同じ」
であると思っています。
(※あくまで個人の見解です)
こんな記事も書いています。
正答率が低かった問題、講評
識別指数マイナスは上記の脂腺癌の問題1問
他、正答率が低かったのは、[CD34陽性となるものを選ぶ皮膚病理の問題]がなんと正答率1.6% 4名のみが正解とのことでした。
識別指数0.4以上は、全体ででは31%、0.2以上が78%
(記述、選択のわけての識別指数についての記載なし)
このような記事も書いています。
皮膚科専門医試験の出題方針
この、2014年平成26年度前後では、数年にわたり、
出題方針について重大なことが書かれています。
・日本皮膚科学会雑誌の原著
・セミナリウム
・JDに掲載された症例
・診療ガイドライン
・講習会テキスト
から出題としました、と書かれています。
また、
「日皮会誌やJDの臨床研究的な論文には注意を払う必要があります」との記載があります。
日本皮膚科学会雑誌の原著、セミナリウム、JDに掲載された症例、診療ガイドライン、講習会テキスト
と書かれていますが、この中で優先して読むべき順に並び替えると、
診療ガイドライン=講習会テキスト>セミナリウム>日本皮膚科学会雑誌の原著>JDに掲載された症例
になってきます。
ここで自分的にやはり気になったのは、
講演会、学会、e-learningが載ってこないんですよね。
文字化したものを目の前にして試験を作っているのでしょう
こんな記事も書いています。
さらに、自分は実際にどんな勉強をして、無事皮膚科専門医試験に合格したのか。
このような記事も書いています。
この上の記事は、実際に受験した当時に自分が行った勉強量ですが、
これに関しては個人的な見解、これまでの試験対策で培った知識をもとに考えると、
コスパを考えるとベストで最低限の勉強法を目指すならば、少し違ってくるように感じます。
また今後記事にしていこうとも思います。
試験委員長
専門医試験委員長は、古川福実先生でした。2015年と同じです。
こんな記事も書いています。
おわりに
いかがでしたか。
お読みいただきありがとうございました。
過去の試験情報も面白いです。
該当する2014年平成26年度の皮膚科専門医試験解説はこちらから。
他の年度の講評はこちらから。
またお立ち寄りいただければ嬉しいです。
2015年平成27年度皮膚科専門医認定試験 備忘録
デルマ侍です。
2015年平成27年度皮膚科専門医認定試験 備忘録です。
過去の専門医試験の情報も、今後の試験対策に役に立ちます。
2015年平成27年度皮膚科専門医認定試験
2015年の皮膚科専門医試験は、
2015年8月2日日曜日
場所は東京の都市センターホテルでした。 例年こちらです。
合格率
受験生は237名
男性91名 女性146名
合格者は男性 69名 女性116名
合格率は合計78.1%
男性75.8% 女性79.5%
例年女性のほうがやや高かったのですが、この年は差が縮まった印象です。
支部別の合格率は、
このような記事も書いています。
専門医試験の中身
午前中に筆記試験、午後に口頭試問がありました。
(※2018年を最後に、口頭試問は現在廃止されています)
筆記試験 選択問題90問、記述問題10題
面接問題24題(5カテゴリー) でした。
(問題数は2019年から選択100題、記述20題となっています)
合否は、 筆記試験(選択、記述)、口頭試問、事前の書類審査から判断されます。
色々と噂がありますが、 各セクションごとに定められたボーダーを一つでも割ったら不合格となるのか、総合して合わせたボーダーで不合格が決まるのか、については、公表されていません。
しかし、
2016年は「筆記試験、面接試験、2つの試験結果に申請書類の審査結果を加味して総合的に合否を判定しました」
2017年からは、「事前に委員会で定めた一定の基準を適用して合否を判定」と書かれていました。
2015年は「筆記試験、面接試験、総合判定の3つの基準で合否を判定」と書かれています。
どちらなのでしょうね。
採点除外
なし
正答率が低かった問題、講評
識別指数マイナスはこの年度では講評にて記載はありませんでした。
識別指数0.4以上は、選択問題では21%
0.2以上が64%
記述問題は全て0.3以上、0.4以上は10問中9問とのことです。
記述問題の方が差がつきやすい傾向は同様です。
この様な記事も書いています。
全体の正答率は4%-98%だったようです。
例年壊疽性膿皮症の問題など、正答率が100%となる出題もあったりします。
筆記記述問題について
この年の講評でも、記述問題について触れられています。
正答率が低かったのは
記述問題8
の妊娠後期の皮疹について
また、略語についても引き続きコメントがあり、
・COIのフルスペル 正答率は12%
・「漫然と略語を使用せず、確実な医学知識として使用することが求められます」
2021年度も略語を書かせる問題が引き続き出ていましたので、有用な情報ですね。
ABIについては同じ問題が出題されました。
書類審査の加点について
事前のレポート、書類審査の事前評価の加点については、
2015年平成27年度のこの年から開始 されたようです。
レポートの提出自体は2013年平成25年からありましたが、加点は2年間なかったようです。
この年から、レポートの評価が5であれば、筆記試験に加点がされることとなりました。
レポートの加点についてはこんな記事も書いています。
試験委員長
専門医試験委員長は、古川福実先生でした。2017年からは変更があります。
こんな記事も書いています。
おわりに
いかがでしたか。
お読みいただきありがとうございました。
該当する2015年平成27年度の皮膚科専門医試験解説はこちらから。
他の年度の講評はこちらから。
noteでも皮膚科専門医試験対策情報を発信中です。
またお立ち寄りいただければ嬉しいです。
JD論文あれこれ
デルマ侍です。
今日も引き続きJDについて。
以前この様な記事を書きました。
2012年のJDA letterの記事を読んで。
JD(ジェイディー)のIF(アイエフ、インパクトファクター)の推移は
2004年 0.660
2005年 0.555
2006年 0.612
2007年 0.694
2008年1.175
2009年1.008
2010年1.355
2011年 1.493
この年は、皮膚科領域全58雑誌の中では29位
すぐ上 28位は J Cutan Pathol (ジェイクッパ)とのこと。えー。
また、
Clin Exp DermatolaやInt J Dematolを抜かしたとのこと。えー。
当時の全投稿論文数(掲載ではなし)は、日本38%,アジア31%、その他欧米
とのこと。欧米というとヨーロッパ、北米、と思いますので、南米やアフリカ、中東はどうなんでしょう・・・。
rejectの率は2011年は61.3%
採択率の目安も30%とのこと。
特にcase reportは行き場を失っているようです。
case reportがもっと出しやすいと臨床医はありがたいのですけどね。
今日はこんなところで。
お読みいただきありがとうございました。
皮膚科専門医試験対策情報のnoteもやっておりますので、よろしくお願いします。
2016年平成28年度皮膚科専門医認定試験 備忘録
デルマ侍です。
2016年平成28年度皮膚科専門医認定試験 備忘録です。
2016年平成28年度皮膚科専門医認定試験
2016年の皮膚科専門医試験は、
2016年8月7日日曜日
場所は東京の都市センターホテルでした。
合格率
受験生は226名
男性92名 女性134名
合格者は男性 64名 女性114名
合格率は合計78.8%
男性69.6% 女性85.1%
支部別の合格率は、
このような記事も書いています。
専門医試験の中身
午前中に筆記試験、午後に口頭試問がありました。
(※2018年を最後に、口頭試問は現在廃止されています)
筆記試験 選択問題89問、記述問題11題
面接問題22題(6カテゴリー) でした。
(問題数は2019年から選択100題、記述20題となっています)
合否は、 筆記試験(選択、記述)、口頭試問、事前の書類審査から判断されます。
色々と噂がありますが、 各セクションごとに定められたボーダーを一つでも割ったら不合格となるのか、総合して合わせたボーダーで不合格が決まるのか、については、公表されていません。
しかし、2016年は「筆記試験、面接試験、2つの試験結果に申請書類の審査結果を加味して総合的に合否を判定しました」と書かれているのに対し、
2017年からは、「事前に委員会で定めた一定の基準を適用して合否を判定」とされています。
どちらなのでしょうね。
採点除外
なし
正答率が低かった問題、講評
識別指数マイナスはこの年度では講評にて記載はありませんでした。
識別指数0.4以上は、選択問題では89問中34問(38%)
記述問題は全て0.3以上、0.4以上は11問中9問とのことです。
これは、言い換えると、記述問題の方が差がつきやすい、ということにもなります。
ちなみに、2020年令和2年度の識別値では、選択問題0.291、筆記試験0.434であることが公開されています。
このような記事も書いています。
筆記記述問題について
この年の講評では記述問題について触れられています。
ピックアップすると
・記述問題は識別指数が高い
・PASI ABI OTCがなんの略であるか 正答率が低かった
・「本来の意味を知らずに省略形の医学用語を使用するのは困ります。常に正確な用語を使用するように心がけ、略語を使用する場合でも、その本来の意味を知りながら用いるようにしていただきたい」
2021年度も略語を書かせる問題が引き続き出ていましたので、有用な情報ですね。
ABIについては同じ問題が出題されました。
試験委員長
専門医試験委員長は、相馬良直先生でした。2017年と同じです。
こんな記事も書いています。
おわりに
いかがでしたか。
お読みいただきありがとうございました。
該当する2016年平成28年度の皮膚科専門医試験解説はこちらから。
他の年度の講評はこちらから。
またお立ち寄りいただければ嬉しいです。