デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説

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2021-13皮膚科専門医試験

2021-13皮膚科専門医試験

 

問題 13
図 2 は、ほぼ全身に肥厚した角届がみられる患者の病理組織像である。診断名はどれか。


1.葉状魚鱗癖
2.尋常性魚鱗癖
3.道化師様魚鱗癬
4 表皮融解性魚鱗癬 
5.X 連鎖性劣性魚鱗癬 皮膚科専門医試験

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え 4

 

IL-31 かゆみのサイトカイン

デルマ侍です。

 

 

IL-31について

 

IL-31はかゆみのサイトカインとして、最近注目されています。

 

IL-31受容体(IL-31RA)が発現しているのは、

末梢神経のほか、

好酸球、角化細胞(ケラチノサイト)、好塩基球、肥満細胞など

です。

神経の他にケラチノサイトにも発現

しているのは記憶しておきます。

 

 

ニューロキニンB

かゆみのサイトカイン、

IL-31は、ニューロキニンB若い介して、痒みを伝達します。

また、ニューロキニンBは、NK3受容体(NK3R)を介して、シグナルを細胞内に伝えるため、

NK3受容体の阻害薬も痒みに効く可能性があります。

 

 

 

 

f:id:DermaSamurai:20221207160636j:image

 

 

https://www.amed.go.jp/news/release_20190809-02.html

より

 

IL-31抗体製剤としては、ミチーガが発売されています。

 

ミチーガ 13歳から使えます。

(12歳は使えない)

 

https://dermasamurai.hateblo.jp/entry/20220513/1652392800

 

 

国内で開発中のアトピー性皮膚炎関連のお薬は以下。

 

f:id:DermaSamurai:20221207161659j:image

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17832/

より

 

OX40などは過去問でも出題されています。

2019-40

https://dermasamurai.hateblo.jp/entry/分子答え皮膚科201918

 

 

過去問でもでてるのかぁ、と思うとこの表への視線も変わってくるかと思います。

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

参考文献

Sakata D, Uruno T, Matsubara K, Andoh T, Yamamura K, Magoshi Y, Kunimura K, Kamikaseda Y, Furue M, Fukui Y. Selective role of neurokinin B in IL-31-induced itch response in mice. J Allergy Clin Immunol. 2019 Oct;144(4):1130-1133.e8. doi: 10.1016/j.jaci.2019.06.031. Epub 2019 Aug 9. PMID: 31405606.

アメナリーフあれこれ

デルマ侍です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメナリーフ

 

アメナリーフについて勉強します。

 

ポイントまとめ

・1日1回

・採血不要

・透析、妊婦も使用可能

・リファンピシン 禁忌

 

専門医試験対策

 

アメナメビルを書かせる過去問がありました。

禁忌はリファンピシンです。

 

 

添付文書

 

 

添付文書を見ていきます。

 

剤型は、

アメナリーフ 1錠200mg

 

黄色の楕円形の錠剤です。

 

f:id:DermaSamurai:20221207114731j:image

 

有効成分はアメナメビル  200mg
添加剤
ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄

 

 

禁忌(次の患者には投与しないこと)
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・リファンピシンを投与中の患者

 

適応は、2022年現在、

帯状疱疹のみ

 

用法用量

通常、成人にはアメナメビルとして

1回400mgを1日1回食後に経口投与する

 

で、1回2錠です。

 

バルトレックス、ファムビル、ビクロックスでは腎機能により減量が必要で採血必須でしたが、

アメナリーフでは腎機能による調整が必要ありません。ので、採血もしなくてOK

これはかなり楽。

 

高齢者の場合、バルトレックスなどを出していた時代では、腎機能フォローのため3-4日後に一度再診を挟むことが通常でしたが、

 

アメナリーフ 7日間

処方して1週間後フォローが可能となりました!

 

 

添付文書上の注意として、

「用法・用量に関連する注意
本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。なお、目安として皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
本剤は、原則として7日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること。」

 

5日以内に、という文言があります。

今のところレセプトに皮疹出現時期を記載しないと返戻をくらう、と言った話は聞いたことはないです。

 

 

帯状疱疹

投与例

 

通常の成人

・アメナリーフ 2T1X 7日間

・ファムビル250mg 6T3X 7日間

 

透析患者

アメナリーフ 2T1X 7日間

←減量の必要なし!!

 

・ファムビル 1T1X 透析直後 3回分、など、7日間

 

 

 

7日間以上の投与について

 

基本はいずれの場合も7日間投与です。

外来患者では7日以上の処方は切られる、と思っていいでしょう。

 

今回の記事のメインのアメナリーフは基本7日間、と考えてよいです。

 

入院患者の場合はDPCで別になりますが、

・重度免疫抑制状態  

血液疾患で抗がん剤治療中、タクロリムス内服中、など

で、7日間終了時にも水疱の新生がある場合

には投与延長を検討します、が、基本そのような症例では汎発化のリスクもあるので入院していることでしょう。

アメナリーフではなく、ゾビラックス、ビクロックスなどを使用されていると思います。

 

髄膜炎合併のときは、

7-14日間 投与を検討しますが、

神経内科のご判断も仰ぐこととなるかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎について、

大人の場合

 

 

 

処方

 

基本的には、

ニゾラールクリーム

ニゾラールローション

1日2回を基本としています。

(水虫などへの抗真菌剤の使用は1日1回なので、間違えないように)

 

慢性的に加療が必要なことが多いので、

初期からステライドをバンバン使ってしまうと、

・かゆみがすぐ取れる

・赤みもすぐ止まる

ことなどから患者さんのほうからステロイドを所望され、

結果症状が落ち着いているのにアンテベートローションなどの強いステロイド外用から抜け出せず、

皮膚は菲薄化、血管拡張する、

ことになったりもしばしば。

特に慎重に。

 

ミコナゾール配合のコラージュフルフルシャンプーも併用したりします。

 

 

 

プラスα

 

食生活との脂漏性皮膚炎の関係について

 

・果物を食べると 発症リスクを下げる

・野菜 は優位差なし

・西洋型の食生活 は発症リスクを上げる

 

ことが報告されています。

 

教科書的には脳外科疾患があると脂漏性皮膚炎の発症リスクが上がるとされています。

 

 

 

患者さんへの説明 ワンポイント

 

 

患者さんに説明する時に、

「カビが増えています」

と安易にいうと、特に女性患者では

「えっ!?」

「どういうことですか!カビ!?

カビなんか生えて平気なのですか?!」

と言われたり。

 

そんな時に

【私たちの生活する環境には、たくさんのカビがいて、通常人間の肌にはカビや細菌が住み着いています。カビがいることは普通のことで、

一部のカビが増えてしまうとこう言った病気と呼ばれる状態になります。】

と言った説明をすると納得されることがあります。

 

 

 

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

コレクチム軟膏のあれこれ

ダルマ侍です。

いえ、デルマ侍です。

 

 

 

コレクチム軟膏が発売されてしばらく経ちましたが、

いまいちまだ使い分けの観点でピンときません…

 

 

少しメモがてら、まとめます。

 

 

 

コレクチム軟膏

 

基本的に、やっぱり添付文書から入ります。

何はなんでも添付文書から。

 

外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤

0.5%と0.25%があります。

 

適応は、

アトピー性皮膚炎
 

のみ。

病名のつけ忘れに注意します。

 

個人的に用法のところで一つ注意ポイントが。

 

 

用法用量

 

用法及び用量
通常,成人には,0.5%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとする。
通常,小児には,0.25%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。症状に応じて,0.5%製剤を1日2回塗布することができる。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとするが,体格を考慮すること。

 

 

 

 

 

ここでお気づきでしょうか?

 

コレクチム軟膏、というと、

プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)との立ち位置を考える先生も多いと思います。

簡単に言えば、

ステロイド軟膏か、それ以外か。

 

プロトピックにも、濃度が2つあり、小児用のものもありますが、

多くの先生の使い方として、大人向けの処方でも

体などにプロトピック 成人用

顔、首にプロトピック 小児用

という処方を出してる先生もおられるでしょう。しばしば見受けられます。

小児では2歳以上で、0.03%の小児製剤のみしか基本使用できません。

成人では0.1%、0.03%いずれを使用しても、保険診療で返戻を受けることはまずありません。

 

このコレクチムは、むしろ、成人には0.5%のみが適応となっており、

小児には0.25%、0.5% いずれの記載もあることがポイントだなぁと感じます。

大人向けのプロトピックのような処方調整はできず、「地域によっては保険で切られる」可能性があります。

 

 

経皮吸収について

 

プロトピック軟膏は、正常皮膚からは吸収されない

という特徴があり、それを逆手に、メリットとして利用もできます。

 

対して、コレクチム軟膏は、

「皮膚バリア機能に障害のない正常皮膚かやも経皮的に吸収される」

ため、使用量には注意が必要といわれています。

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。勉強を続けていきます。

 

 

 

参考文献

MB Derma 327:51-59,2022

2021-12皮膚科専門医試験 問題

2021-12

皮膚科専門医試験

 

問題 12
ケラチンとその発現部位の組み合わせで誤っているのはどれか
1 ケラチン 1 表皮有棘層
2 ケラチン 2 表皮顆粒層
3 ケラチン 3 粘膜上皮 
4 ケラチン 5 表皮基底層
5 ケラチン 6 爪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え 3

2021-11皮膚科専門医試験

2021-11

皮膚科専門医試験

 

問 11

ケラチン細胞骨格に関する以下の記述を読んで、空白箇所に当てはまる正しい数字の組み 合わせはどれか。
ケラチン 1 とケラチン 10 は、互いに結合しヘテロダイマー(2 量体)を形成し、さらにそれらが 2 個集まると 4 量体が形成される。4 量体が(ア)個集まると(イ)量体が形成され、 正常な細胞骨格(中間径線維)として機能するようになる。このことから、ケラチン 1 遺伝子またはケラチン 10 遺伝子に病原性のあるミスセンス変異がヘテロ接合性に存在する場合、 表皮有鰊層で正常なケラチン細胞骨格が形成される確率が(ウ)であることがわかるので、 表皮融解性魚鱗癬ではケラチノサイトの細胞骨格が容易に崩壊し瓶粒変性が見られることが理解できる。
1 ア 2 イ 8 ウ 1/16,
2 ア 4 イ 16 ウ: 1/256
3.ア:6, イ:24、ウ: 1/4,096
4. ア:8, イ:32,ウ: l/65,536
5. ア:2,イ :8,ウ: 1/1.048.576

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021-11

答え 4

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