子供に使える抗ヒスタミン薬について
皮膚科専門医のデルマ侍です。
小児への抗ヒスタミン薬の使い分けについて、皮膚科専門医試験の過去問も交えながら、解説してきます。
医学生や初期研修医、救急、耳鼻科、家庭医などの先生方にもお役立ていただけるかと思います。
皮膚科専門医試験過去問にも出題あります(2019 選択問題30) 2019-30
2019-30皮膚科専門医試験 - デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説
はじめに
みていくとわかりますが、めちゃくちゃごっちゃごちゃに頭の中、かき回されます。
ポイントは、
剤形の違い シロップなのか、顆粒なのか、錠剤なのか
用法用量の違い 成人と同じ用法用量が開始するタイミングが、7歳、12歳、15歳、16歳とばらばらです。
それではみていきましょ。
6ヶ月から使用可能
ザイザルシロップ
ザジテン
アレグラドライシロップ
2歳から
アレロック(オロパタジン)顆粒
ジルテックドライシロップ
3歳から
クラリチン(ロラタジン)ドライシロップ
アレジオン(エピナスチン)ドライシロップDS
7歳から
ザイザル錠、アレグラ錠、ジルテック錠、
クラリチン錠(ロラタジン)、タリオン錠、(ペポタスチンベシル)、アレロック錠(オロパタジン)
ザイザル錠剤は成人と用法用量が異なり、「7歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩として1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前」です。16歳以上から成人と同じ。
アレグラ錠も「7歳以上12歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mgを1日2回」で
12歳以上の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口投与と成人と同様になります。
ジルテック錠 「通常、7歳以上15歳未満の小児にはセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。」16歳以上から成人と同じはザイザルと同じです。
クラリチン、タリオン、アレロックは7歳から成人と同じ用法用量です。
12歳から
ルパフィン、デザレックス
ディレグラ
15歳から (成人)
エバステル、ビラノア
このお薬は小児の文言が一切ありません。添付文書の決まりの「成人」カテゴリの15歳から内服可能となります。
エバステルは透析患者でも使用しやすい薬です。
※16歳から成人と同じ用法用量なのはザイザル、ジルテックです。
こんがらがりますが、「添付文書上の成人は15歳から」です。
引用元:小児耳 2018; 39 (3): 275–282
谷内 一彦先生、東北大学大学院医学系研究科 機能薬理学
薬事法上の小児、成人の定義も確認です。
新生児〜成人までの年齢の決まり事
新生児 出生後 4 週未満の児
乳児 生後 4 週以上、1 歳未満の児
幼児 1 歳以上、7 歳未満の児
小児 7 歳以上、15 歳未満の児
成人 15歳以上
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皮膚科専門医試験 過去の出題はこちら
2019-30
Q.生後6ヶ月から使える抗ヒスタミン薬はどれか?
アレグラDSも生後半年から使用可能です。
おわりに
いかがでしたか?
過去問で出題がある以上、皮膚科専門医試験対策としてはわりきって整理して覚えていくしかありません。
実臨床では、過信せず、毎度毎度添付文書を確認する癖をつけるべきです。
もう絶対過信しちゃいけません。
薬の勉強については、今日の治療薬が使いやすいです。安いですし、おすすめです。
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