受験テクニック的ですが、皮膚科専門医試験でも有効です。
選択肢だけから正解である可能性が高い選択肢を抽出するテクニックです。数々の受験を乗り越えてきた医師の皆さんなので、おそらく受験時には詳しかったはずです。しかし8年くらい経ってると忘れることもありますよね。
そこで小手先テクニック技をデルマ侍式に再確認です!
もちろん毎回これが正しいというわけではありません。知らない問題が出て、当てずっぽうで選ぶ時に参考にしてみてください。
あくまでも、ほとんど「ベースとなる知識がほとんどない」として、選択肢だけから考えることに特化しています。
・同じような選択肢が並ぶとその中に答えがある可能性が高い
2020-3
1. 血管性浮腫
2. 寒冷蕁麻疹
3. 機械性蕁麻疹
4. 特発性蕁麻疹
5. コリン性蕁麻疹
血管性浮腫も蕁麻疹の一種ですが、そこは置いといて、選択肢問題としては、全て語尾が蕁麻疹なので、正解もその中にある可能性が高く、1は選びづらい。
2-5の中から選びます。
実際の答えは5
2020-4
1. 尋常性乾癬
2. Down 症候群
3. 鉄欠乏性貧血
4. Werner 症候群
5. アトピー性皮膚炎
AAに合併しやすいものを2つ選ぶ問題。
24が症候群で並んでるからそのどちらかは答えの可能性が高い。
アトピーの合併が多いことは知ってる受験生も多いかと思うので、迷ったら25か45を選ぶ。(答えは25)
2020-4皮膚科専門医試験 対策 解答 - デルマ侍の皮膚科専門医試験対策
2020-6
1. 常染色体劣性遺伝性疾患である.
2. A 群では学童期から皮膚腫瘍を発症する.
3. B 群が A 群,Variant 群に次いで頻度が高い.
4. C 群は神経症状を呈さない.
5. Variant 群の DNA 除去修復能は正常である.
XPについては頻出で、かつ似たような問題なので、そのうちまとめノートを公開しようとおといますが、
選択肢だけ見て、A群が2回出てます。2か3のどちらかが正解の選択肢かな?とぼんやり感じ取れます。
この問題は誤っているものを1つ選ぶ問題。(答えは3)
2020-6皮膚科専門医試験 2020 問題 答え 対策 解答 - デルマ侍の皮膚科専門医試験対策
2020-7
1. 角層間
2. 基底膜
3. 顆粒細胞間
4. 有棘細胞間
5. 基底細胞間
ベースのそもそもの構造に関する知識は置いときますからね。基底膜だから間ではない、とかはここは忘れて。
これもよく見てください。文字について注目すると「間」が入ってる選択肢が4つなので、答えは1.3.4.5のどれか。かつ、3-5は同じ長さで【〜細胞間】、と揃ってます。なので3-5の中に答えがある可能性が高いです。
事実答えは3。
もし、2の基底膜と5の基底細胞間で答えを迷ってしまったら、小手先テクニック的には5を選ぶのが吉です。
2020-7皮膚科専門医試験 対策 解答 - デルマ侍の皮膚科専門医試験対策
2020-9
この問題の選択肢だけ見ていきましょう。
1. ケラチン 5
2. ケラチン 9
3. ケラチン 10
4. ロリクリン
5. 17 型コラーゲン
この並びできたら、1-3のケラチンのどれかが答えの可能性が高いです。
答えがケラチン〜であれば、答えありきで、それをひっかけるために似たような選択肢を作るのです。
(答えは3)
2020-9皮膚科専門医試験 対策 解答 - デルマ侍の皮膚科専門医試験対策
2020-34
1. クロタミトンは保険適用外である.
2. フェノトリンを 2 回外用する場合,1 週後に外用する.
3. フェノトリンは神経細胞の Na+チャネルに主に作用する.
4. イベルメクチンを 2 回投与する場合,1 週後に投与する.
5. イベルメクチンは神経細胞の Na+チャネルに主に作用する.
これもよく見てください。1だけ選択肢の雰囲気が違って、2と4がセット、3と5がセットです。この問題は、「誤っているものはどれか」一つ選ぶので、似たような選択肢から選ぶと、1は除外。2-5の中のどれかが答えになります。2.4が正解なことは知ってる受験生も多いかと思うので、迷うなら3か5で当てずっぽうするのが確率が高いです。
(答えは5)
2020-37 正解は2つ
1. HLA-A26
2. HLA-B27
3. HLA-B51
4. HLA-B52
5. HLA-Cw6
これも何も知識がないとしましょう。あくまでも選択肢だけを機械的に考えた話です。
HLAの先、Bが3つあります。一つの正解は2-4である可能性が高いです。
かつ、B51とB52が並んでいるので、3か4のいずれかである可能性が高いです。
数字を見ると6が2つあります。すると6が入る選択肢も正解である可能性が高いです。
A26とCw6だと、1-4の選択肢は同じような並びで5だけ見た目が違うので、1か5だと1の可能性が高そう。
当てずっぽうであれば13か14を選ぶと正しい可能性が高いです。(答えは13)
2020-45
この問題は2つ選べなのですが、
1. Ashy dermatosis
2. Dowling-Degos 病
3. 網状肢端色素沈着症
4. 遺伝性対側性色素異常症
5. 遺伝性汎発性色素異常症
の選択肢が並んでいたら、もし答えを1つ選べ問題であれば、4か5のどちらかが正解になる可能性が高いです。
実際のこの問題の答えは45
2020-47
1. グセルクマブは保険適用である.
2. エトレチナートは保険適用である.
3. カルシポトリオールは保険適用である.
4. 皮膚科光線療法の中波紫外線療法が算定できる.
5. 皮膚科特定疾患指導管理料(I)の対象疾患である.
これも1-3が【〜薬は保険適用である】と揃った選択肢のため、この中から正解がある可能際が高いです。(答えは3)
問題作成者は、答えありきで、誤りの選択肢を作るので、必然として答えの選択肢に似たひっかけの選択肢を作る傾向があります。そのため似たような選択肢が並ぶ場合はその中に答えがある可能性が高いのです。
・「まず〜する」というのは間違いの可能性がやや高い
これは間違っていない可能性も十分に にありますが、「まず〜をする」という限定的な表現よりも、一般的な表現の選択肢の方が正解である可能性が高いです。
2020-44
この問題の選択肢を見ていきます。
1. Intravascular histiocytosis では皮膚筋炎を伴うことが多い.
2. 多中心性細網組織球症の浸潤細胞はCD68、S100 陽性である.
3. 多中心性細網組織球症ではしばしば進行性多発性関節炎を合併する.
4. Langerhans 組織球症の単臓器単発型ではまず多剤併用化学療法を行う.
5. Langerhans 組織球症の浸潤細胞は S100 陰性,Langerin(CD207)陽性,CD1a 陽性である.
この問題は受験テクニックだけでは立ち向かうことはできず、少し難しいのですが、
1のような「伴うことが多い」
3「しばしば〜合併する」
と言った選択肢は正解である可能性があります。
しかし、4のような、「まず〜」という限定的な選択肢は不正解である可能性が、1.3よりは高いと思います。
選択肢だけを見ると、自分であれば、4は選ばず、
1235の中で迷い、わからなければ、1か3を選びます。(答えは3)
・長い選択肢は間違っている可能性が高い
2020-14
この問題の選択肢を見ていきます
1. 顆粒変性を伴う.
2. 通常,多汗を伴う.
3. 多くは魚鱗癬を伴う.
4. 病変は手背や足背にも及ぶ.
5. 罹患者が非罹患者と結婚すれば,生まれる子供
は発症しない.
1-4は同じくらいの長さで、5だけ長いですよね。これは5は間違っている可能性が高いです。
かつ、選択肢だけ見ても、「〜すれば〜しない」という条件付き否定の文になっていて、正解になりづらい選択肢になっています。
問題作成者は、不正解の選択肢を作るために色々文言を長く理由をつけて誤った選択肢にさせているため、どうしても長くなりがちなのです。 実際この設問の答えは2.4で5は誤りです。
しかし例外ももちろんありますので、あくまで迷った時に!の話ですからね。
例外
2020-50
1. 抗真菌薬を外用させる.
2. 血中プロゲステロンを測定する.
3. 口腔内を診察し,歯科金属の有無を確認する.
4. 使用している生理用品を用いたパッチテストを行う.
5. 生理の時に痛み止めを内服していないか問診で確認する.
この問題では5が一番長い選択肢ですが、5が正解です。
例外
2020-58
1. 伴性劣性遺伝形式を示す.
2. 国の指定難病の 1 つである.
3. 乏汗症を呈することが多い.
4. 皮膚以外に明らかな異常を呈さない.
5. 病理組織学的には,真皮の肥厚と脂腺の過形成を認める.
この問題では5の選択肢が一番長いですが、
「病理組織学的には」と、どうしても長くなるワードが含まれていることや、1-5の選択肢どれも相同性がなく、バラバラなので、きちんと知識で立ち向かわないとダメな問題です。
答えは25
おわりに
いかがでしたか?参考になれば幸いです。
noteもやっています!
2020年令和2年度皮膚科専門医試験解説についてはこちら。
試験勉強についてはこちら。
試験問題作成の裏側についてさぐります。