DLE型薬疹とテガフール
デルマ侍です。
DLE型薬疹について、勉強していきます。
テガフールによるDLE型薬疹について
・フルオロウラシル系薬剤に分類される
UFT テガフール ウラシル
TS-1 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム
などによって起こる。
・フルオロウラシル系薬剤による薬疹は、円板状エリテマトーデス型の他、
紅斑丘疹型、扁平苔癬型、色素沈着型、光線過敏型など
・DLE型薬疹は1981年に初めて報告される
フルオロウラシル系
・UFTやTS-1に代表される
・フッ化ピリミジン系代謝拮抗薬
・経口
・フルオロウラシル系薬剤による薬疹は1977年にはじめて報告された
・消化器癌、頭頸部癌、乳癌
DLEとDLE型薬疹の違い
DLE型薬疹のほうが、
DLEよりも抗核抗体陽性率が高い 60% > 20-40%
SS-A抗体陽性が多い
病理で液状変性が軽度、毛孔角栓が目立たない
蛍光抗体法DIFで基底膜BMZの免疫グロブリン沈着を認めないこともある
DLE型薬疹の特徴
皮疹は皮膚露光部に多い
光線過敏試験でUVA UVBともに低下することが多い
従来はテガフールの投与期間と総量が増えるほど発症しやすいとされていたが、投薬早期・投与量が少量でも発症することがある
DLEとの臨床の比較
この症例は数年後い深在性エリテマトーデスに移行。
皮膚科専門医試験過去問
関連した出題はフルオロウラシル系の薬疹についての過去問がありました。
皮膚科専門医試験過去問2017年度 平成29年度
2017-87
問題87.悪性腫瘍の治療に用いられる薬剤投与によって引き起こされることの多い症状の組み合わせで, 誤っているのはどれか.
1.5-フルオロウラシル ―――光線過敏症
2.ソラフェニブ ――――――痤瘡様皮疹
3.シクロホスファミド ―――色素沈着
4.エルロチニブ ――――――皮膚乾燥
5.ドセタキセル ――――――爪甲剥離症
参考文献:
森岡洋子,他:日皮会誌91:606,1981
伊藤亜希子,他:臨皮 62:545-548,2008
村山 梓,他:臨皮 72:215-220,2018
小川夕貴,他:臨皮 74:37-41,2020