破傷風トキソイド ハトキをどんな患者に打つか
破傷風の予防
大事なこと 2つ
①低リスク創傷か高リスク創傷か
②破傷風ワクチンの接種歴を確認
日本での破傷風予防接種開始は1968年
日本での破傷風予防接種開始は1968年からです。
1967年以前の生まれの方は、怪我などをして病院で打っていない限り未接種。
1968年生まれは2021年で53歳。
ざっくり 50歳以上は受けていない
と記憶。受けてから時間がたつと、抗体が下がるので、がっつりざっくりこの知識でOK
破傷風予防接種不要の人
破傷風予防接種後5-10年以内→予防は不要
と考えられます。
しかし、5年か10年はエキスパートオピニオンレベル。
また、スケジュール通りに3回しっかり打った人に限ります。
下にスケジュールを書いておきますが、
2期:11歳から、二種混合ワクチンを1回接種
のため、ざっくり20歳を過ぎて、リスクの高い外傷がある時は、破傷風予防接種を検討します。
破傷風予防接種を検討した方がいい場合
予防接種後5年〜10年経過している場合、もしくは不明な場合
破傷風の予防を検討します。
低リスク創傷であれば受傷直後に破傷風トキソイド1回、1ヶ月後に2回目、半年後に3回目接種
破傷風ヒト免疫グロブリンとは
免疫グロブリンを併用しても、トキソイドによる抗体産生の妨げとはならないため、高リスクの場合は投与を検討する
免疫グロブリン 投与量 250単位
感染予防に必要な毒素価を1ヶ月間維持する、といわれる
筋肉注射
高リスクの傷とは
土壌などに汚染された創部、壊死組織が認められる創部、凍傷、火傷、挫滅、剥離などによる創部 など
臨床的に自分は
土やアスファルト →高リスク
家の中の傷で挫滅・壊死が少ない →低リスク
のイメージで対応しています。
新生児破傷風
2008年自宅出産のあと、新生児破傷風を発症した報告がある。
破傷風の予防接種の推移
1968年 DPT三種混合ワクチン接種が日本で開始
昔はDtwP 百日咳菌体ワクチンを含んでいた
その後
DTaP 百日咳菌無菌体ワクチンへと改善
その後
DPaT-IPVワクチン開始 2012年11月(DPT-IPV)
ポリオを含めて4種混合となった
破傷風予防接種 乳児・小児のスケジュール
1期:生後3か月から
4週間隔で合計3回
3回目の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目を接種
2期:11歳から、二種混合ワクチンを1回接種
公益社団法人 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」より一部改変
皮膚科専門医試験対策
過去問では出題なし。
問題にもしづらいので、おそらくでないかと。
実臨床には重要です。
皮膚科専門医試験対策シリーズ公開中