ネックレスでかぶれる
はじめに
デルマ侍です。
今日はネックレスでかぶれる、といって来院した患者さんについてどのように対応するか、どう考えるか、について。
金属アレルギーが疑われる症例
症例:
ネックレスでかぶれる20代女性。金属パッチテストをやったが陰性。
どのように考えればいいか。
金のパッチテストは遅れてでる
判定は1週間後で終了となっていますか?
金のパッチテストは遅延して陽性となることがあるため、2-4週間は観察しましょう。
日本人の金アレルゲン陽性率は年々上がってきています。
遅れて陽性となるアレルゲンは他にフラジオマイシンがあります。
汗アレルギーの関与もあるかも?
自分の汗に対するアレルギーも起こり得ることがわかっています。
たとえばコリン性蕁麻疹では汗アレルギーの関与が指摘されています。
汗の排出障害などに伴って汗管より漏出した汗によって肥満細胞からの脱顆粒が起こり,蕁麻疹が発症する可能性が考えられいます。
コリン性蕁麻疹の約半数には強い汗アレルギーがある(汗の皮内反応を行うと陽性となる)ので、汗の関与も考えてもいいかもしれません。
パッチテストの感度の問題
イギリスの接触皮膚炎ガイドラインでは,パッチ テストの感度と特異度が 70~80%とされています。偽陰性となっている可能性も否定できません。
金属は汗にとける
金属は汗などにイオン化してとけ、経皮吸収されアレルギーを引き起こすことが考えられています。
おわりに
いかがでしたか?参考になればうれしいです。
パッチテストについて
noteもやっています。
2020年令和2年度の皮膚科専門医試験解答を公開中。
参考文献:
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/130_523contact_dermatitis2020.pdf