SOX10 melanomaの有用なマーカー
デルマ侍です。
2017年の過去問にしれっとSOX10がでてきていました。
2017-52
問題51:2
13歳の男性.出生時から全身の所々に脱色素斑がある(図 14).現在まで病変に変化はなく,目や耳に異常はみられない.考えられる疾患の原因遺伝子はどれか.
1.HPS
2.KIT
3.MITF
4.PAX3
5.SOX10
この問題の答えは2のKITなのですが、SOX10について書いていきます。
SOX10とは
細胞の成長や分化を調節するSOX (SRY-related HMG-box) ファミリー
メラニン細胞、シュワン細胞の成熟・分化に非常に重要な役割を果たす転写因子
正常組織でもシュワン細胞、メラニン細胞、唾液腺・気管支腺・乳腺の筋上皮細胞にびまん性に発現
悪性黒色腫melanomaで感度も特異度も高いマーカーとして注目されている
melanomaのマーカー
s-100は、感度は良好であるが、滑膜肉腫や平滑筋肉腫なども陽性となり、やや特異度が低い
MelanAやHMB45は特異度は高いが感度が低い
その点SOX10は感度も特異度も高め
SOX10はメラノサイトの核に染まる。
今後の試験対策
SOX10自体を問う設問はまだでていないが、選択肢にはでている(2017-52)。
また、2020年の問題では
「悪性黒色腫の組織診断において抗 CD45 抗体を用いた免疫染色が有用である.」
○か×か
という設問もでている。
#6悪性黒色腫過去問 皮膚科専門医試験|皮膚科専門医のデルマ侍|note
SOX10に関連する問題は、今後出題される可能性がある。総会e-learningや講習会テキストにも登場しているので、要チェック。
おわりに
いかがでしたか?該当する問題は以下に解説しています。
試験対策noteまとめています。