皮膚科専門医試験では、添付文書問題はよくでます。
添付文書は正式に発行された文書で、書いてある、書いてないと、正解が白黒つけられるので、
不適切問題になることもなく、
かつ専門医にぜひ勉強しておいてほしい項目がたくさん含まれるので、頻出問題です。
とはいっても添付文書なんて、文字が多くて、一から読むのは無理ですよね。
試験にでやすいポイントはここ!
というのをいくつか確認していきます。
禁忌を見る
禁忌のところに「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」という文言はどの薬にも書いてあるので、これはもちろんスルー。
このほかに書いてある禁忌で特徴的なものを記憶。
例えば、昨日ご紹介した、ベセルナでは、
尿道、腟内、子宮頸部、直腸及び肛門内 への外用が禁忌となっており、実際にこの部分が過去問で出題されています。
適用症を見る
普段慣例的に使っている薬剤でも適用が実は通っていない、といったこともあります。
例えば、ミノサイクリンはざ瘡の推奨度A*ですがなんと!ざ瘡の適用が通っていません!
ファロムは推奨度Bですが、保険適用が通っています。
推奨度と保険適用病名が食い違う、といった点は記憶しないといけません。
こちらでも解説しています。
#5ざ瘡過去問 皮膚科専門医試験|皮膚科専門医のデルマ侍|note
同じJAK阻害でも、リンヴォックはPsAの適用、オルミエントはADの適用です。
乾癬がらみの適用症も薬剤ごとに覚える必要があります。
妊婦ではどうかを見る
妊婦に対しての薬剤投与が「禁忌」なのか「慎重投与」や「基本的注意」なのか、は覚える必要があります。例えば、ディフェリン、エピデュオは妊婦禁忌ですが、ベピオは使用上の注意にとどまっています。
基本的に禁忌が注意のどちらかに記載があります。
用法用量を見る
これは実際の臨床の場でも大事になってきます。
専門医試験対策としてではなく、普段から意識をする必要があります。
たとえば、ザイザルでは、
〔成人〕 通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日10mgとする。
〔小児〕 通常、7歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩として1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
ポイントがいくつかあって、成人では1日1回なのに、小児では1日2回です。かつ大人は「就寝前」と小児は「朝食後及び就寝前」と指定されているんです。添付文書的に夕食後はだめですよ。
さらに、ザイザルは最高投与量1日10mg(1錠5mgなので、2錠)が記載されています!
アレグラやタリオンでも倍量投与することがあると思いますが、添付文書上は「なお、年齢、症状により適宜増減する。」としか書かれていないのです。つまり、ザイザルは抗ヒスタミン薬の中で珍しく添付文書上も倍量投与が認められている薬です。(あと、ルパフィンも。)
こんな記事も書いています。
おわりに
お読みいただきありがとうございます。
特徴的な副作用がある薬では、それも覚えます。
たとえば光線過敏やQTlongなどです。
添付文書は普段から見る癖をつけるといいです。
勉強には今日の治療薬もかなり使えます。私は書きこんで使用していました。
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本文で登場したざ瘡の過去問に関連して
ざ瘡の皮膚科専門医試験過去問まとめシリーズを作りました。
noteでも専門医試験対策情報をまとめています。
2018年平成30年度皮膚科専門医試験過去問解説答えについてはこちら。
2017年平成29年度皮膚科専門医試験過去問解説答えについてはこちら。