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皮膚科と指定難病

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デルマ侍です。今日は皮膚科領域の指定難病についてリストアップします。

後日、ここからピックアップして、専門医試験の記事を作っていこうと思いますので、目次的な感じです。

 

皮膚科に関係する疾患で、どれが特定疾患なのか、どれが違うのか、という問題は皮膚科専門医試験の過去問で出題がありますので、

斜め読みはしたほうがいいです。

 

 

2021年現在、日本の指定難病は333個で、最後が早老症のHutchinson・Gilford症候群です。

 

 

皮膚科に関わる指定難病

文字量多いですが、一度目を通してみましょう。 


28全身性アミロイドーシス
34神経線維腫症
35天疱瘡
36表皮水疱症
37膿疱性乾癬(汎発型)
38スティーヴンス・ジョンソン症候群
39中毒性表皮壊死症
40高安動脈炎
41巨細胞性動脈炎
42結節性多発動脈炎
43顕微鏡的多発血管炎
44多発血管炎性肉芽腫症
45好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
46悪性関節リウマチ
47バージャー病
48原発抗リン脂質抗体症候群
49全身性エリテマトーデス
50皮膚筋炎/多発性筋炎
51全身性強皮症
52混合性結合組織病
53シェーグレン症候群
54成人スチル病
55再発性多発軟骨炎
56ベーチェット病
63特発性血小板減少性紫斑病
64血栓性血小板減少性紫斑
84サルコイドーシス
86 肺動脈性肺高血圧症
103 CFC症候群
104 コステロ症候群
106 クリオピリン関連周期熱症候群
108 TNF受容体関連周期性症候群
109 非典型溶血性尿毒症症候群
110 ブラウ症候群
116 アトピー性脊髄炎 ※
157 スタージ・ウェーバー症候群
158 結節性硬化症
159 色素性乾皮症
160 先天性魚鱗癬
161 家族性良性慢性天疱瘡
162 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)
163 特発性後天性全身性無汗症
164 眼皮膚白皮症
165 肥厚性皮膚骨膜症
166 弾性線維性仮性黄色腫
167 マルファン症候群
168 エーラス・ダンロス症候群
169 メンケス病
186 ロスムンド・トムソン症候群
191 ウェルナー症候群
192 コケイン症候群
224 紫斑病性腎炎
254 ポルフィリン症
265 脂肪萎縮症
266 家族性地中海熱
267 高IgD症候群
268 中條・西村症候群
269化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群
271 強直性脊椎炎
281 クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
289 クロンカイト・カナダ症候群
300 IgG4関連疾患
325 遺伝性自己炎症疾患
331 特発性多中心性キャッスルマン病
333 ハッチンソン・ギルフォード症候群

 

合計65疾患

 

並んだ疾患をみてあれこれ

116アトピー性脊髄炎っていうのがあるのですが、正直自分よくわかっていないので、また今後記事にします。「アトピー性皮膚炎、気管支喘息アレルギー性鼻炎・結膜炎などのアトピー素因を有する患者で見られる脊髄炎である。1997年に吉良らが4例の高IgE血症とアトピー性皮膚炎を伴った、四肢の異常感覚(じんじん感)を呈し頚髄後索を主病変とする脊髄炎を報告し、アトピー性脊髄炎と命名した。」とあります。

乾癬に関しては汎発PsPだけで、アロポーは含まれないし、PsAも指定難病ではありません。(過去問あり)

 

161ヘイリーヘイリー 病 家族性良性慢性天疱瘡は指定難病ですが、ダリエ病は指定難病ではありません。ダリエ研究対象疾患一覧になっています。が、専門医試験前の先生は、とりあえす指定難病か、それ以外か、で覚えます。)

上記には登場しませんが、

66 IgA腎症も指定難病ですが、こちらは慢性糸球体腎炎の一病型です。皮膚科医が診療するIgA血管炎に伴う腎炎は、224 紫斑病性腎炎です。

112 マリネスコ・シェーグレン症候群というのもありますが、小脳失調、精神発達遅滞、先天性白内障、ミオパチーを特徴とする乳幼児期発症の難治性疾患で、皮膚科でも診療するSjSとは異なります。

 

指定難病、特定疾患がよくわからない

昔は特定疾患と言われていたことがありました。

特定疾患治療研究事業とか、まだ残っていますが。

また指定難病に変わる際に、あらたに、どういった疾患が指定難病としてふさわしいのか、好ましいのか。そんな定義も提唱されました。

2017年の過去問にもでてきたので、こちらの年度の解説集で、このポイントについて詳しく解説したおまけノートをつけています。

 

2017年平成29年度皮膚科専門医試験解説解答

note.com

 

疾患の頻度も大事

難病、というと治りづらい病気、というイメージが強い表現ですが、この国の指定難病となるためには、「患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと」という点も重要になってきます。

 

病院皮膚科をやっているとよく診察する、類天疱瘡は、アメリカの生涯罹患率は0.012%ほどのようです。

ただ、つまるところ、類天疱瘡が指定難病になるまでにはいろいろとあったようです。

 

指定難病はいつ追加更新されるのか

この記事を書いているのが2021年の6月です。

直近の追加は「令和元年7月1日」でした。

「指定難病」になって最初が平成27年1月、それ以降の追加は

平成27年7月

平成29年4月

平成30年4月

令和元年7月

ですので、

 

令和3年の7月に新しい疾患が発表され、皮膚科領域が含まれている可能性がありますが、あまり気にしなくてよいです。その理由はこちら。

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→令和3年2021年の追加はなさそうです。(2021/9/13追記)

 

おわりに

いかがでしたか?

お読みいただきありがとうございました。

皮膚科専門医試験情報をnoteでも更新中です。

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こんな記事も書いています。

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皮膚科専門医試験 2020年令和2年度 過去問の答え、解説、解答です。

絶賛公開中。

 

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今後ともよろしくお願いします。

 

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参考文献

Prevalence estimates for pemphigoid in the United States: A sex-adjusted and age-adjusted population analysis Sara Wertenteil et al. J Am Acad Dermatol. 2019 Mar

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