皮膚科医が知っておくHPVワクチン
デルマ侍です。
今日は皮膚科医の立場でHPVワクチンについて復習します。
尖圭コンジローマにもきくものもあるので、押さえておくべきです。
サーバリックス、ガーダシル、シルガード
現在日本で使えるワクチンは3つあります。
HPVワクチン
サーバリックス、ガーダシル、シルガード
の3つです。
サーバリックス
2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン
イラクサギンウワバ由来
2009年12月に日本で発売開始となりました。
予防するHPVの型は、HPV16・18で、子宮頸癌高リスク型 の原因ウイルスに対するものとなっています。
(イラクサギンウワバって知らなかったのですが、ガの一種のようです。)
添付文書では、対象は10歳以上の女性、で
効果効能は、
ヒトパピローマウイルス(HPV)16型及び18型感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮細胞癌、腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2及び3)の予防
となっています。
ガーダシル
世界的には一番古いワクチンですが、日本では、2番目の2011年8月から使用開始となりました。
4価ワクチンで、HPV 16 18に加え、HPV6 11です。
9歳以上、で、性別の記載はありません。
効果効能は、
ヒトパピローマウイルス6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防
・子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
・外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
・肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)
・尖圭コンジローマ
となっています。
シルガード9
一番あたらしいワクチンで、日本では2021年2月から使用開始となりました。
名前の通り、9価ワクチンで、
HPV16・18 高リスク型 と、6・11 低リスク型 に加えて、
31・33・45・52・58 高リスク型 が追加されています。
接種可能は9歳以上の女性、で
添付文書の効果効能には
ヒトパピローマウイルス6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の感染に起因する以下の疾患の予防
・子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
・外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
・尖圭コンジローマ
となっています。
尖圭コンジローマがある以上、皮膚科医も勉強しておかないといけません。
HPV6 HPV11が尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマの原因となるHPVは6 11です。
記憶。
HPVの数字は過去問でも出題がありますので記憶します。
過去問
2013-24
ヒトパピローマウイルス(HPV)の型と臨床病型の関係で誤っている組み合わせはどれか。 1.HPV 3 疣贅状表皮発育異常症の癜風様皮疹
2.HPV 6 尖圭コンジローマ
3.HPV 16 Bowen 様丘疹症
4.HPV 18 子宮頸がん
5.HPV 57/60 足底類表皮囊腫
2の選択肢ででてきますね。この選択肢は○です。
他の問題でもでてきます。
2013-68
図 21 に病理像を示した疾患について正しいのはどれか。3 つ選べ。
1.上皮内癌である。
2.HPV16 が高頻度にみられる。
3.しばしば多発する。
4.白人より有色人種に好発する。
5.近年本邦では増加傾向にある。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
HPVもさらっときます。
該当する年度の皮膚科専門医試験過去問解答はこちらから。