慢性蕁麻疹の治療の進め方 ガイドラインより
デルマ侍です、
今日は慢性蕁麻疹の治療の進めかたについて、ガイドラインにそって。
ガイドラインは試験でもやっぱり大事になってきます・・・・。
慢性蕁麻疹とは
慢性蕁麻疹は、定義に「6週間以上」持続することがあげられています。
また原因などは不明のもの。
海外のガイドラインでは、「慢性特発性蕁麻疹CSU chronic spontaneous urticaria」と言われますが、日本では慢性蕁麻疹、といえば特発性をだいたい指します。
慢性蕁麻疹 治療の進め方
慢性蕁麻疹の診断がついたら、
STEP1
まずは第二世代抗ヒスタミン薬を通常量投与します。
たとえば、デザレックス1T1Xとか、アレグラ2T2Xみたいな感じです。
効かない場合は、
①他剤への変更
②2倍量投与
③2剤併用
などから、患者さんと相談して投薬します。
倍量投与については、添付文書に書いてある、ザイザル、ルパフィンから優先して使用すると安心です。
こんな記事も書いています。
※個人的には、ザイザル、アレロック、ルパフィン、が強く効いて、(でも眠くなる)
タリオン、デザレックス、クラリチンがいい感じに効いて
アレグラ、アレジオン、ビラノアがマイルドに効く
印象です。※あくまで個人の印象です。エバステルは最近あまり処方していません。
特に侍が好きでよく処方しているのは、ザイザル、タリオン、デザレックス、アレグラあたり(のジェネリックも)で、車運転の有無や症状に応じてローテしております。
STEP2
次にH2拮抗薬 ガスターなどや抗ロイコトリエン薬を投薬します
ただし、蕁麻疹では保険適用外使用です。
STEP3
STEP1 2に追加、変更して、
ステロイドPSL少量内服か
ゾレア(オマリズマブ)
ネオーラル(シクロスポリン)(保険適用外)
を使用します。
皮膚科専門医試験対策
試験対策としては、
・H2拮抗薬、抗ロイコトリエン薬、シクロスポリンが保険適用外なこと
・ステロイドには「1ヶ月以上の減量中止の目処が立たない場合には他の治療法へ変更すべし」との注意書きが書いてあること、
が重要です。
ステロイドの注意書きについては過去問出題がありました。
抗ヒスタミン薬のあれこれ
抗ヒスタミン薬については、過去記事でもいくつかご紹介させていただいております。
意外と知られていないのが、
年齢、処方タイミングです。過去問でも出題があるので、復習してみるといいと思います。
小児での使い分けについては、こんな記事も書いています。
PEG含有の有無にフォーカスして解説しています。
過去問
皮膚科専門医試験の過去問についてみていきます。
2020-51
蕁麻疹診療ガイドライン 2018 では,「特発性 の蕁麻疹に対する薬物治療手順」が改定された.こ のうち Step 3 として使用される薬剤のうち,副腎皮質ステロイドに関しては「,プレドニゾロン換算量< 0.2 mg/kg/日)」という具体的な投与量に加えて, 注釈がつけられている.副腎皮質ステロイドのみに 付された注釈として正しいのはどれか.
1.既存治療で効果不十分な患者に限る.
2.蕁麻疹に対する健康保険適応は未承認.
3.速やかに症状の軽減を図ることが必要な場合.
4.1 か月以上減量または中止の目処が立たない 場合は他の治療への変更を考慮する.
5.皮膚科専門医またはアレルギー専門医が,当該 施設で,あるいは近隣医療機関と連携して,喘 息,アナフィラキシー等の有害事象に対応できる体制のもとで使用する.
2020年令和2年度の皮膚科専門医試験の過去問 他の問題も全問徹底解説しています。皮膚科専門医試験の解答集はこちらから。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
ネオーラルには併用禁忌があります。
ネオーラルは投与量をトラフ値をみながら調整する必要があります。
こんな記事も書いています。
ステロイドについては、構造からの分類について、以前こんな記事も書いています。
noteでも皮膚科専門医試験対策情報を発信中です。
よろしくお願いいたします。