VitD3製剤の違い
デルマ侍です。VitD3の外用薬製剤についてみていきます。
VitD3外用薬について
活性型ビタミンD3外用薬にはいくつか種類があります。
主に、ドボネックス、オキサロール、ボンアルファです。
ドボネックスとオキサロールはステロイドとの混合剤で、ドボベット、マーデュオックスがあります。ペアになるステロイドは過去問で既出です。
ドボネックス
ドボネックス:カルシポトリオール
使用禁止部位の注意書きがあり、 眼や眼の粘膜に加え、顔面に対しても使用してはいけない
となっています。他の2剤は顔面への外用も可能です。
外用方法は1日2回
保険病名は「尋常性乾癬」だけ
ステロイド外用である、リンデロンDP軟膏(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)との配合剤(ドボベット軟膏、ドボベットゲル、ドボベットフォーム)があります。
合剤の外用方法は1日1回です
オキサロール
オキサロール:マキサカルシトール
オキサロール軟膏の他、オキサロールローションがあります。
外用は1日2回
保険適用病名は「尋常性乾癬、魚鱗癬群、掌蹠角化症、掌蹠膿疱症」
ステロイド外用剤のアンテベート軟膏(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)との配合剤であるマーデュオックス軟膏があります。
合剤は1日1回の外用です
ドボネックスと違い、オキサロールは顔面にも使用可能です。
使用部位 の注意には「本剤は患部にのみ使用し、正常皮膚部位には使用しないこと。 皮膚以外の部位(眼、粘膜)には使用しないこと。」と書かれています。
ボンアルファ
ボンアルファ:タカルシトール
軟膏の他、クリーム剤、ローション剤があります
顔面使用可
外用は1日2回
保険適用病名は「乾癬、魚鱗癬、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、毛孔性紅色粃糠疹」
通常ボンアルファ軟膏2μg/gの他、濃度が高い製剤でボンアルファハイ軟膏20μg/gがあります。
今のところステロイドとの合剤は発売されていません。
各製剤のまとめ
・ドボネックス、ドボベット軟膏は顔面に使用してはいけない
・顔には、オキサロールかボンアルファ
・保険適用の違い
ボンアルファ「乾癬、魚鱗癬、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、毛孔性紅色粃糠疹」
オキサロール「尋常性乾癬、魚鱗癬群、掌蹠角化症、掌蹠膿疱症」
ドボネックス「尋常性乾癬」
・VitD3製剤単剤は 外用は1日2回
・VitD3+ステロイド外用は1日1回
ステロイドとVitD3外用の合剤である、ドボベット軟膏とマーデュオックス軟膏について、こんな記事も書いています。
外用の順番
VitD3製剤に限りませんが、
一般に、
保湿剤を全体に外用後、軟膏製剤を外用
と指示する先生が多いと思います。
これは逆の先生もおられます。保湿剤 ヒルドイドソフト軟膏のようなべっとりした外用剤を先に塗ると後から塗る軟膏が染み込まない、とおっしゃる方もいました。
過去問
皮膚科専門医試験の過去問で出題されていた問題を紹介します。
2018-19
乾癬に保険適用をもつ外用剤で,カルシポトリオールとの合剤に使用されているステロイドはどれか.
1.ベタメタゾン吉草酸エステル
2.ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
3.クロベタゾールプロピオン酸エステル
該当する設問の解説はこちらから。
おわりに
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