デルマ侍です。
今日はファムビルの one- day treatmentについて
皮膚科専門医試験の過去問をみていきます。
過去問
皮膚科専門医試験の過去に出題された問題についてみていきます。
2020-23
再発性単純疱疹に対するファムビルⓇの one- day treatment について誤っているのはどれか.
1. 性器ヘルペスは適応外である.
2. 1 回 1,000 mg を 2 回内服する.
3. 再発の初期症状を正確に判断可能な患者が適 応となる.
4. 同じ病型の再発頻度が年間 3 回以上の患者が 適応となる.
5. 初期症状発現から 6 時間以内に服用可能な場合のみ治療を開始できる.
答えはどうでしょうか。
添付文書をみていきます。
ファムビル添付文書
ファムビル添付文書より
〈単純疱疹〉通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。
また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。
2回1日の高用量投与で治療することが、one-day treatmentです。
さらに、添付文書の注意事項を見ていきます。
〈単純疱疹に対して1回1000mgを2回投与する場合〉
・単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返す患者であることを臨床症状に基づき確認すること。
・本剤の服用は、初期症状発現後、速やかに開始することが望ましい。
・初期症状発現から6時間経過後に服用を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。
また、臨床試験において、2回目の投与は、初回投与後12時間後(許容範囲として6~18時間後)に投与された。
さらに、今後の予備の薬として処方するときの注意事項が書かれています。
次回の再発分として処方する場合は、以下の点に注意すること。
再発を繰り返す患者であることは、再発頻度が年間概ね3回以上などの病歴を参考に判断すること。
再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者であることを確認すること。
再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、本剤の処方時に、服用時の適切な用法・用量が選択可能な場合にのみ処方すること。
1回の再発分の処方に留めること。
長くなりましたが、まとめていきます。
ファムビル まとめ
・6 時間以上経過した場合の有効性を裏付けるデータが示されていない、とのことで、6時間以内に内服する。
・ファムビルのone-day treatmentは、口唇も性器ヘルペスも適応になる。
ちなみに、
バラシクロビルの再発抑制療法は、適用は性器ヘルペスのみで、口唇ヘルペスの再発抑制は適用外使用。
選択肢の1は、バラシクロビル、ファムビル、one day treatmentと再発抑制療法あたりで知識が曖昧だと選べないかもしれません。
one-day treatmentは、症状がでたらすぐに直す治療
再発抑制は、症状を出にくくする治療
です。
以前、バラシクロビルについて、皮膚科専門医試験の過去問交えて、こんな記事を書きました。
該当する設問は以下でも解説しています。
【解答】2020年令和2年度皮膚科専門医試験
おわりに
いかがでしたか。
勉強になれば嬉しいです。
今日もお読みいただきありがとうございました。
皮膚科専門医試験noteはこちらから