保険適用遺伝子検査について〜皮膚科専門医試験対策〜
デルマ侍です。
今日は保険適用となっている遺伝子検査について説明していきます。
遺伝子検査は、研究対象で保険適用外のものと、保険適用となっているものがあることをご存知でしょうか。
指定難病に登録されている疾患で遺伝子検査が診断基準に含まれるものもありますが、
保険適用と保険適用外と、両方あります。
皮膚科医師が知っておくべきポイントや、調べる際に有用なサイトなどご紹介していきます。
臨床の役に立ちますが、まだ、皮膚科専門医試験には出にくいかもしれません。
指定難病と遺伝子検査
医療費助成の対象となる指定難病の中には「遺伝学的検査を行い、遺伝子異常が検出されたこと」が診断基準に盛り込まれている疾患があるが、当該遺伝学的検査が保険適用されていないケースがあります。
結果として指定難病との診断が難しく、事実上、医療費助成が行われないことがあることが問題となっていますが、この辺りは未だ改善されていません。
かずさ遺伝子検査室
かずさ遺伝子検査室があります。
https://www.kazusa.or.jp/genetest/test_insured.html
例えば、
化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群
クリオピリン関連周期熱症候群
TNF受容体関連周期性症候群
家族性地中海熱症候群
ブラウ症候群
あたりは検査が可能です。
皮膚科専門医試験委員の神戸直智先生(現京都大学准教授、元関西医科大学准教授)の先生はこのあたりがご専門です。
こちらの記事でも解説しています。
東京女子医科大学のHPが患者さん向けにわかりやすくまとまっています。
http://www.twmu.ac.jp/IMG/genetic-diagnosis/cost.html
http://www.twmu.ac.jp/IMG/genetic-diagnosis/cost/cost-detail.html
診療報酬と遺伝子検査
2022年の診療報酬改定にて、保険適用となる遺伝子検査が追加になりました。
※遺伝子検査を保険適用として行うためには施設基準を満たしていることが必要です。
遺伝子検査なので、倫理的なことがクリアされているか、などが重要となります。
●遺伝学的検査は以下の遺伝子疾患が疑われる場合に行うものとし、 原則として患者1人につき1回に限り算定できる。
(略)
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして
地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において検査が行われる場合に算定できるもの
プリオン病、クリオピリン関連周期熱症候群、DY T11ジストニア/MDS、
DY 394 T12/RDP/AHC/CA POS、パントテン酸キナーゼ 関連神経変性症/NBIA1、 根性点状軟骨異形成症1型及び
家族性部分性脂肪萎縮症
●臨床症状や他の検査等では診 断がつかない場合に、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生 (支)局長に届け出た保険医療機関において検査が行われる場合 に算定できるもの
TNF受容体関連周期性症候群、中條-西村症候群、家族性地中海熱、
ベスレムミオパチ ー、過剰自己貪食を伴うX連鎖性ミオパチー、非ジストロフィ ー性ミオトニー症候群、遺伝性周期性四肢麻痺、禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症、
結節性硬化症及び肥厚性皮膚骨膜症
ソトス症候群、CPT2欠損 症(中略)、先天性プロテイン C欠乏症、先天性プロテインS 欠乏症、先天性アンチトロンビ ン欠乏症、筋萎縮性側索硬化 症、家族性特発性基底核石灰化症、
縁取り空砲を伴う遠位型ミオパチー、シュワルツ・ヤンペル症候群、肥大型心筋症、
家族性高コレステロール血症、
先天性ミオパチー、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、
神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症、先天性無痛無汗症、
家族性良性慢性天疱瘡、那須・ハコラ病、カーニー複合、ペルオキシソーム形成異常症、ペルオキシソームβ酸化系酵素欠損 症、プラスマローゲン合成酵素欠損症、アカタラセミア、原発 性高シュウ酸尿症I型、レフサム病、先天性葉酸吸収不全症、
異型ポルフィリン症、先天性骨髄性ポルフィリン症、急性間欠性ポルフィリン症、赤芽球性プ ロトポルフィリン症、X連鎖優性プロトポルフィリン症、遺伝性コプロポルフィリン症、
晩発性皮膚ポルフィリン症、肝性骨髄性ポルフィリン症、
原発性高カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、タナトフォリック骨異形成症、遺伝性膵炎、嚢胞性線維症、アッシャー症候群 (タイプ1、タイプ2、タイプ 3)、カナバン病、先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症、大理石骨病、脳クレアチン欠乏症候群、ネフロ ン癆、家族性低βリポタンパク血症1(ホモ接合体)及び進行性家族性肝内胆汁うっ滞症
ドラベ症候群、コフィン・シリス症候群、歌舞伎症候群、
肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天 性)、ヌーナン症候群、骨形成不全症、脊髄小脳変性症(多系 統萎縮症を除く)、古典型エー ラス・ダンロス症候群、非典型溶血性尿毒症症候群、アルポー ト症候群、ファンコニ貧血、遺 伝性鉄芽球性貧血、アラジール 症候群、
ルビンシュタイン・テイビ症候群及びミトコンドリア病
指定難病
指定難病の制度も復習しておきます。
指定難病について、このような記事も書いています。
おわりに
noteでも皮膚科専門医試験対策情報を更新中です。
皮膚科専門医試験対策note
お読みいただきありがとうございました。