DIHSとTregについて
デルマ侍です。
DIHSとTregについて。
DIHSとTreg
DIHS/DRESSでは、初期には制御性T細胞(Treg:Regulatory T cell)が増加し、免疫抑制をきたすことがわかってきました。
DIHS/DRESSを引き起こす特定の薬剤たちには一定の免疫抑制作用があるともされています。
そして、原因となる薬剤(被疑薬)を中止し、治療開始、臨床症状の回復とともに、増加していたTregが一転、減少して、同時にTregの機能は低下しつつ長い経過でTh17へのシフトが起こるとされています。
この免疫系の変動とその過程でウイルスの再活性化がその後の自己免疫疾患発症に関与し様々な症状がもたらされる可能性が報告されています。
また、塩原先生、水川先生たちは、このウイルスの活性化がきわめてきれいに決まった順序で、連続的に起きることを強調しています。
DIHSの合併症をなるべく防ぐには?
DIHSの合併症をなるべく防ぐにはどうしたらいいか
水川先生たちは、
「DiHS/DRESS では,被疑薬の中止,治療として用いるステロイドの減量(特に急激な減量)やパルス療法, IVIg投与がIRISのtriggerとなる」
としています。
結果としてTregをはじめとして、
原因薬剤を中止したり、治療介入して皮疹がよくなってステロイドを早いスピードでやめることで、免疫が急激に動くことにより、
皮疹が落ち着いたのち遷延する様々な合併症を引き起こしている可能性を考えられているようです。
DIHSのステロイド投薬に関しては、かなりゆるやかに漸減することが推奨されています。
過去問では出題まだなし
TregとDIHSに関してはまだ皮膚科専門医試験の過去問で出題はありません。
また、2021年9月現在、DIHSに関する皮膚科学会からのガイドラインはでていません。
こんな過去問がでていました。
おわりに
勉強を続けていきます。
お読みいただきありがとうございました。
noteでも皮膚科専門医試験対策情報を更新中です。
年度別解説をまとめたものも公開中です。
どうぞよろしくお願いします。
参考文献
日皮会誌:131(7),1685-1690,2021
Shiohara T, Mizukawa Y: AllergologyInternational 68: 301, 2019
http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-180816.pdf