デルマ侍です。
掌蹠膿疱症と異汗性湿疹について。
臨床皮膚科の増刊号 トピックス2021
「掌蹠膿疱症と異汗性湿疹(汗疱)との病理組織学的な相違」
異汗性湿疹の病理の問題は皮膚科専門医試験の過去問に出ていました。
細かいところですがとても勉強になります。
掌蹠膿疱症と異汗性湿疹
掌蹠膿疱症と異汗性湿疹
二つの大事な違いは、
海綿状態を伴うか、伴わないか
になります。
掌蹠膿疱症の病理
掌蹠膿疱症PPPの水疱、膿疱は、表皮内汗管に形成される
1水疱期
2 水疱内膿疱期
3 膿疱期
に分けられる
1水疱期
好中球の浸潤は少ない
2 水疱内膿疱期
好中球が浸潤、
微小膿瘍を形成
海綿状態は見られない(あっても弱い変化)
3 膿疱期
細胞内にリンパ球と好中球が充満
異汗性湿疹の病理
海綿状態を伴うことが特徴
水疱・膿疱の辺縁に、微小膿瘍の形成は認めない
分子レベル
分子レベルでは、PPPの病変皮膚では、
IL-8とIL-17AのmRNAが増加していることがわかっている
過去問
皮膚科専門医試験の過去問をみてみよう。
過去問2016-19
図 5a~5b の病理所見を呈する場合,最も考えられる疾患はどれか.
1.帯状疱疹
2.掌蹠膿疱症
3.異汗性湿疹
4.尋常性天疱瘡
5.角層下膿疱症
該当する問題はこちらでも解説しています。
おわりに
お読みいただきありがとうございました。
参考文献
臨床皮膚科の増刊号 トピックス2021
臨皮75(5):70-74
Murakami M , et al:J invest Dermatol 130:2010,2010