DIHSの歴史的背景
デルマ侍です。
今日はDIHSについて。
DIHSについては過去にこのような記事を書いています。
DIHSの歴史
DIHSは結構日本人が貢献している分野ですが、
まだわかっていることが少ない(だいぶわかってきたけど)のと、曖昧なことがらが多く、
試験にも出しにくいと思います。
ガイドラインも2021年秋現在はありません。
というか薬疹系はみんな難しいですね・・・・。
DIHS ディース がはじめて報告されたもので、有名なものは、DDS 症候群でした。
DDSについては、記述問題でDDSを書かせる問題が過去にありました。
DDS:dapsone, 4,4-diaminodiphenylsulphone 商品名レクチゾール
ダプソン、ともいいますね。
水疱症、IgA血管炎などでよく使用されます。
過去にはハンセン病でも使用されていました。
このDDS症候群で報告された、特徴的な経過をたどる薬疹の一系が他の薬でも報告されるようになります。
薬剤ごとに異なる疾患、と考えられていましたが、
1994 年、Roujeau らこれらの特徴が似ていることから、hypersensitivity syndrome として報告しました。
その後、彼らは DRESS(drug rash with eosiophila and systemic symptoms)という名称を提唱しています。
少したって、日本では、1998年、橋本先生と塩原先生たちが
「hypersensitivity syndrome に HHV- 6の再活性化を伴った症例」を報告しました。
これがDrug-induced hypersensitivity syndrome (DIHS) です。
DRESSとDIHSはこのように同じ疾患群を指していますが、
必ずしもeosinophiliaを伴わなくてもいいという観点や日本人の貢献もあるので、日本国内ではDRESSは使わずDIHSを使うことが多いです。
海外文献ではDIHS/DRESSと表記されることが多いです。
塩原先生たちはDIHSではなく DiHSと表記されています。
個人的には、
「DRESSの診断基準は満たすけどDIHSは満たさない」
とか
「DRESSとDIHS」は何が異なるのか
云々は専門家の先生にお任せして、1臨床医としては、DIHSか、非典型DIHSやDIHS疑い
でみていくのでいいと思っています。
「DRESSの診断基準は満たすけどDIHSは満たさない」→自分は非典型DIHS として考えます
おわりに
DIHSではTregが重要な立ち位置にあることがわかってきています。
こちらの記事でも解説しています。
お読みいただきありがとうございました。