モイゼルト軟膏新発売
デルマ侍です。
今日は、モイゼルト軟膏について。
モイゼルト軟膏
モイゼルト軟膏
一般名:ジファラミスト
作用機序は
ジファミラストはホスホジエステラーゼ(PDE)4の活性を阻害です。
名前もアプレミラスト(オテズラ)に似てますね。
(アラミストは点鼻薬〜)
PDE4は多くの免疫細胞に存在し、cAMPを特異的に分解する働きを持ち、
本作用機序に基づき、炎症細胞の細胞内cAMP濃度を高め種々のサイトカイン及びケモカインの産生を制御することにより皮膚の炎症を抑制します。
添付文書
モイゼルト軟膏の添付文書をみてみましょう。
試験対策としての読み方の確認をしていきます。
まず、禁忌
禁忌はいつもの(過敏症)しかありません。
ここに「妊婦」とか、特定の疾患が入ってこないか確認です。
妊婦は禁忌ではないですね。
ただし、できれば避妊、使用しない、といったようです。
組成
1%と0.3%があります。
小児でも1%が使えることがわかります。
用法用量
成人、と小児、としか書いてありません。
何も書いていないときは、小児は、7 歳以上、15 歳未満です。
成人が15歳以上なので、7歳以上が添付文書上の基本使用年齢ということになります。
こんな記事も書いています。
ただし、注意項目で
「小児等低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない」
としてしか書いておらず、正確には2歳から6歳はグレーゾーンです。
こちらもご覧ください。
https://www.pmda.go.jp/files/000218448.pdf
ただ、解釈としては、モイゼルト軟膏も2歳から使用可能なようです。(と聞きました。)
メーカーに文句言いたいぜ。
同じアトピーの外用薬である、プロトピック軟膏0.03%小児用では、
2歳以上からの、年齢別の用法用量の記載がしっかりあります。
この2つを見る限りは、プロトピックは2歳児に処方しても保険査定がくることはありませんが、モイゼルト軟膏は保険審査の先生によっては切られる(返戻をくらう)可能性がありますね。
こういった点については、今後モイゼルト軟膏の使用可能年齢が引き下げられる可能性も十分にありますが、
モイゼルト軟膏の用法用量が「小児」のままで、年齢ごとの用法用量の指示がプロトピックのように細かくなければ、
皮膚科専門医試験で出題される可能性があるかもしれませんが。
ひっかけになりますからね。
注意
妊婦は注意喚起のみで、禁忌ではありません。
塗布量は、皮疹の面積0.1m2あたり1gを目安 も記憶
副作用はあまり重篤なものはなさそうだということがわかります。
1日投与量の制限は特にありません。
1年間は2週間分しかだせませんが。
おわりに
いかがでしたか。
添付文書は普段の診療から、皮膚科専門医試験対策までとっても重要なものになっています。
こんな記事も書いています。
お読みいただきありがとうございました!感謝感激!