デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説

専門医試験解答解説勉強対策絡みのこと全て包み隠さず

MENU

認める、施行した、という言葉を使わない

f:id:DermaSamurai:20220111105946p:plain

病理伝票の書き方、プレゼンについて。

 

まず文字、表現のお作法について。

 

 

「認める」を使わない

 

「認める」を使わない

なかなか難しいのですが、このお作法、何人かの先生方がおっしゃっています。

病理伝票でも、病理のプレゼンでも、

 

× 3年前より背部に腫瘤を認めた

× リンパ球の浸潤を認めます

 

3年前より背部の腫瘤を自覚した / 家人に指摘されたが放置していた

→患者本人が3年前に気がついた、認識した、という意味なので、この文章は正しい

→また、背中のため本人は気がつかなかったが、家族に指摘された、という文章も正確です

 

病理のプレゼンでは、

「浸潤を認める」

〜を認める、

を多用してしまいますが、

 

・真皮浅層の毛細血管周囲にリンパ球が多数浸潤している

・真皮乳頭層に毛細血管が増生している

 

こういった表現をするといいでしょう。

 

認める、というのは、認識する、recognaizeする、ということの他、

判断する、目に止める、といった意味などがありますが、

辞書をみてみますと、

みと・める【認める】 

1 目にとめる。存在を知覚する。気づく。

「人影を―・めた」

「どこにも異常は―・められない」  

2 見て、また考えて確かにそうだと判断する。

「有罪と―・める」

「頭がよいと―・める」  

3 正しいとして、また、かまわないとして受け入れる。

「自分の非を―・める」

「試験に教科書の持ち込みを―・める」  

4 能力があると判断する。「世に―・められる」  

5 気をつけて見る。じっと見る。  「五百の仏を心静かに―・めしに」〈浮・一代女・六〉

 

認める(みとめる)の意味 - goo国語辞書 より

 

 

施行するを使わない

 

かっこいいから、という理由なのでしょうか。

プレゼンで多用する先生、多いですよね。

しかし、

施行する、という言葉を注意する先生もいらっしゃいます。

 

検査を実施した、行った、という意味で使われることが多いのですが、

× 生検を施行した

×CT検査を施行した

という表現、あまり好ましくありません。

 

この単語、法律用語なのです。

 

辞書を見てみますと

し‐こう〔‐カウ〕【施行】 の解説 [名]

1 実際に行うこと。政策・計画などを実行すること。実施。せぎょう。しぎょう。「命令を―する」  

2 法令の効力を発生させること。せこう。「新税法を―する」

 

施行(しこう)の意味 - goo国語辞書   

より

 

 

特に、プレゼンなどで使う言葉と思いますが、

 

・生検を行なった

・CT検査を実施した

 

こういった表現がすっきりするかと思います。

 

 

 

おわりに

 

お読みいただきありがとうございます。

またお立ち寄りください。

Copyright ©デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説 All rights reserved.