病理プレゼンの仕方
デルマ侍です。
病理のプレゼンテーションの仕方について
皮膚病理をみて行く時、プレゼンテーションをするとき、
大まかな流れがあります。
簡単にお話していきます。
マクロ(弱拡大)からみる
特徴的な所見があるとき、そこに飛びついてしまいがちですが、
必ず、マクロからみること、マクロからプレゼンすることを忘れずに。
マクロ 弱拡大
ミクロ 強拡大
です。
できるなら、ルーペ像、顕微鏡に載せる前のスライドを目視した情報も、なにか提示するべきことがあるなら伝えるべきです。
皮膜に包まれた腫瘍です。
など。
弱拡大からみてその次に強拡大
顕微鏡に乗せて、
弱拡大 対物レンズ2倍、4倍で全体像をまず提示します。
病変の首座はどうなのか、
腫瘤があるのか、
真皮浅層に好塩基性の細胞浸潤があるのか。
弱拡大
弱拡大での注意は、
腫瘤があることはいえても、
それが腫瘍かどうかは言えません。
腫瘍というのは、病理学的な診断が含まれた表現であり、
細胞が密に集まって塊を形成していれば、腫瘤、とは表現できますが、腫瘍かどうかは、わかりません。
また、弱拡大では、細胞の形態まではわかりませんので、
真皮浅層に好塩基性の細胞浸潤 = リンパ球
であることが予習でわかっていたとしても、
弱拡大の時点では色味を表現します。
好塩基性 = 紫
好酸性 = ピンク
メラニンが多い →茶褐色 などなど
強い拡大
その後、
強拡大 対物レンズ20倍→40倍のプレゼンへとうつっていきます。
病変が真皮などにある場合、真皮にまた飛びついてしまいがちなのですが、
上から上から。表皮から。提示していきます。
角層はどうなのか、表皮変化はあるのか、萎縮していないか、
肥厚しているのか。
表皮のプレゼンがおわったあとに、真皮→脂肪織とうつっていきましょう。
腫瘍を一塊にして切除した、などで、表皮が含まれない場合は、
皮膜、腫瘍の壁、など外側から強拡大にして提示し、内側へと進めていきましょう。
おわりに
いかがでしたか。
自分が病理プレゼンの際に気をつけていること、
今まで教わってきたこと、後輩に教えていること、などをまとめました。
ご意見、先生方の工夫などありましたら、ぜひお教えください。
お読みいただきありがとうございます。
またお立ち寄りいただければ嬉しいです。