歯科金属アレルギー
デルマ侍です。
今日は金属アレルギー、特に歯科金属アレルギーについて
口腔外科や近隣の歯医者さんから、「金属アレルギーの検査をしてくれませんか?」
と言われたこと、ないですか?
金属アレルギーを調べるには?
よく患者さんから聞かれます。
金属のアレルギーを血液で調べてください、と。
現状金属は血液検査では調べられません。
基本的にまずパッチテストを実施します。
金属は食物にも含まれていますので、金属による汗疱性湿疹などでは、
内服テストなど吸収増加による皮疹の増悪や、食事制限により皮疹軽快するかどうか、を検討します。
歯科からの依頼の場合は、基本的にパッチテストを実施します。
ガイドラインでも「Q8.金属アレルギーの診断に,In vitro の検査は有用 であるか?
A.リンパ球幼若化試験や金属によるリンパ球よりのサイトカイン産生の増加を見る方法は,金属そのものにリンパ球を刺激する作用があることや施行可能な施設が限られていることなど,解決すべき多数の問題 点が残されている.」といったQ&Aが公開されています。
(ガイドラインに 施行 とか使われていて嫌なんですけど・・・)
チタンは検査したほうがいい?
基本的にチタンも含めて実施した方がよいでしょう。
2020年、チタンの歯科製剤の一部が保険適用となりました。
保険適用外の自費のものもありますが、
歯科金属でもチタンが使われるものがありますので、
特に「やらなくていいですよ」と言われない限りはチタンの検査も実施検討かと思います。
やらないでください、と歯科からいわれることはまずないですよね・・・。
ただし、チタンアレルギーについては疑問の声もあり、確立した概念ではないことを念頭にいれましょう。
Q&Aでは、
「Q9.歯科領域や整形外科領域のインプラントとしてチ タンはよく使用されているが,アレルギーをおこすか?推奨されるパッチテスト試薬は?
A.チタンのパッチテスト試薬について検討し,塩化チタン 0.1%が至適濃度であるという報告もあるが チタンによるアレルギーは否定的で,そのパッチテスト試薬や至適濃度については今後も検討を要するとの報告もある」
チタンのパッチテストって日本で買えるの?
このブログを書いている2022年現在、日本では買えません。
輸入する必要があるかと思います。
お若い先生方は、講師レベルの先生や部長の先生にご相談ください。
MELISAみたいなところで買う必要があります。
https://melisa.org/wp-content/uploads/2021/08/MELISA-Guide-and-Requisition-Form-US.pdf
https://melisa.org/order-our-test-now/buy-a-test-kit/
簡単に手に入るパッチテスト製剤は鳥居が作っています。
→ 鳥居薬品製金属アレルゲン
医療用医薬品 : パッチテスト (パッチテスト試薬金属塩化亜鉛2% 他)
歯科金属の一覧
金属アレルギーのパッチテストを行って、陽性になった場合、どの歯科製剤が使えないのか。
金属アレルギーはどんな症状?
金属アレルギーはどんな症状、どんな皮疹となるのか。
・金属接触アレルギー
・金属による全身性接触皮膚炎
の2つがあります。
金属接触アレルギーはアクセサリーや時計のバックルなどでかぶれる、といった症状です。
金属による全身性接触皮膚炎は診断が難しいことがありますが、有名なものは扁平苔癬、掌蹠膿疱症、汗疱性湿疹などです。
多形慢性痒疹の原因が金属であることもあります。
このような記事も書いています。
おわりに
いかがでしたか?
参考・勉強になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。