デルマ侍です。
パッチテストを実施する際の注意と題して、
パッチテスト全般に関して勉強します。
パッチテストとは
パッチテストとは、
アレルギーが疑われる成分を背中(など)に貼って、アレルギー症状がでるかでないかを見る検査
です。
成分は、
日本国内で簡単に手に入る試薬のパッチテストパネルR(S)22種や、鳥居薬品のパッチテスト 試薬(金属など34種)を使用したり、患者が持参した製品(化粧品や毛染め)などで行います。
(試薬を海外から輸入することもあります。)
パッチテストが推奨される時期
パッチテストは汗の影響を受けやすい検査のため、
夏場は行わないことが多いです。偽陽性、偽陰性がでやすいとされています。
施設にもよりますが、秋〜春に行うことが多いです。
患者さんへの説明、注意事項
パッチテストをやる前に、
・背中など、パッチテスト貼付部位への1週間前〜検査期間中ステロイド外用を中止してもらう
・抗ヒスタミン薬内服をしている場合は1週間前〜検査期間中 中止してもらう
といったことを行うことが多いです。
ただし、ガイドラインからは「抗ヒスタミン薬,免疫抑制剤の併用については十分なデータがない」とされています。
エビデンスはないですが、自分の施設や周りでは、基本的に中止できるようであれば、抗ヒスタミン薬内服はSTOPしています。
ガイドラインでは他に「プレドニゾロンを1日20mg 以上経口内服している患者にはパッチテストを実施しないこと が推奨されている」「パッチテス ト開始前の4週間は強い日焼けを避けるよう患者に指示する.」と記載されています。
パッチテスト期間中
・激しい運動で汗をかくことは避けてもらう
・パッチテスト開始後72時間後までは入浴・シャワーを避けてもらう
・72時間後〜1週間後判定までは入浴を避けてもらい、シャワーで流すだけにしてもらう
自分の施設などではこのようにしていますが、ガイドラインには記載されていません。施設により異なるかと思いますので、一つの例として、参考にしてください。
判定のタイミング
パッチテスト判定は、
貼付して24時間後(2日後)、72時間後(3日後)、1週間後
の3回 最低確認します。
例えば、月曜日に開始したら、
スケジュール例
月曜日 貼付
水曜日 判定1回目
木曜日 判定2回目
月曜日 判定3回目
といったふうになります。
ガイドラインでは、
「パッチテストの判定は複数回実施することが推奨されている
試薬を貼布後 48,72 又は 96 時間,そして 1 週間後に判定を行う
複数回判定を行う理由としては,金属試薬は刺激反応を誘発しやすいこと,一方,
硫酸フラジオマイシン,ステロイド含有外用薬,金などは陽性反応が 4 日,もしくはそれ以降,遅れて誘発される傾向があることが挙げられる.」
と書かれています。
このような記事もかいています。
遅れて陽性となる成分に
・フラジオマイシン
・金
は記憶しておきましょう。
2020年皮膚科専門医試験でこのような出題がありました。
フラジオマイシンに関連して、このような記事も書いています。
初回判定時の注意
初回判定、48時間後の判定の際には、パッチテストパネルをはがしますが、
はがした直後に判定しないことが推奨されています。
ガイドラインには「貼布 48 時間後にパッチテストユニットを除去する. その際,一時的に紅斑が誘発されることがあるため, ユニットを除去し,それらの反応が消退する 15 分~30 分後に判定する」と書かれています。
2日目後判定初回判定時にはお時間がかかることを患者さんに説明するといいでしょう。
お若い患者さんの場合は自宅で剥がしてきてもらう、といった対応をとることもあります。
パッチテストの判定基準
過去問にも出題あり
皮膚科専門医試験対策
皮膚科専門医試験でも、パッチテストに関する出題がありました。
JSAって何かご存知ですか?復習しましょう。
おわりに
いかがでしたか?
こんな記事も書いています。
お読みいただきありがとうございました。
こうやってみますと、接触皮膚炎、アレルギー関連はよくブログで記事を書いているんですね。
勉強しないと難しいのに試験にはよくでるからでしょうか。
勉強を続けて参ります。