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帯状疱疹とアセトアミノフェン

 

 

 

 

デルマ侍です。

 

帯状疱疹の急性期の痛み止めには日本で多用されているロキソプロフェンなどのNSAIDsではなく、

アセトアミノフェン コカール カロナール などを使うことが多いです。

 

皮膚科としての使い方を確認していきます。

 

帯状疱疹の痛み

 

急性期と後半に分けて考えます。

急性期といわれる帯状疱疹初期は、炎症による痛み(侵害受容性疼痛)のため、

NSAIDsやアセトアミノフェンを使うことが多いです。

帯状疱疹後神経痛神経障害性疼痛です。

初期からすこしたったあとにでてきますが、プレガバリンやタリージェの他、神経ブロック療法、抗うつ薬オピオイドなどを使用します。

適切なタイミングでペイン科やペインクリニックに相談しましょう。

 

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急性期、初期の痛みに戻ります。

初期はNSAIDsやアセトアミノフェンをよく使いますが、

しかし、

高齢者で腎機能が気になる場合、

アメナリーフはまだいいのですが、バルトレックス、ファムビルといった腎排泄型の薬剤、つまり腎機能に応じて投与量を調整する薬と併用する場合は、NSAIDsは注意が必要です。

NSAIDs自体も腎臓に負担をかけてしまうため、

相まって、急性腎障害をきたすことがあります。

 

実際に自分も、若かりし頃、腎機能に応じて抗ウイルス薬の投与量を調整していたものの、高齢者患者で急に乏尿→AKIとなり、緊急透析となったことがありました。

 

 

NSAIDsで腎臓を悪くする機序は

①腎細動脈に存在するシクロオキシゲナーゼを阻害

→プロスタグランジン(血管拡張)の産生を抑制

腎虚

→急性尿細管壊死→急性腎障害

②NSAIDsのアレルギー機序による急性間質性腎炎、ネフローゼ症候群

 

などが考えられています。

バルトレックスなどと併用する際には特に注意が必要となってきます。

 

 

皮膚科領域の考え方からは

学会HPには「帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェン、リン酸コデイン、アミトリプチリン(保険適応外)が欧米では使用されています。また、副腎皮質ステロイドの全身投与も急性期の疼痛を除去する作用があります。」

と書かれています。

 

ステロイドの急性期投与は、

顔面の場合、浮腫などをとる作用もあるため、抗ウイルス薬と併用することがあります。

PSL30mg/dayで1週間で漸減したりすることがあります。

顔面神経麻痺がある場合はPSL100mg/day開始の高用量で投与します。

 

 

アセトアミノフェンの投与量

 

若い患者では、1回量1,000mg、1日量4,000mgMAX

の高用量を投与します。

200mg製剤もありますが、1回200mgでは解熱効果は得られても、鎮痛効果は得られません。

1回500mg-1000mg程度の投与を検討します。

 

高齢者では1回500mg x3回 の投与から検討することが多いです。

 

それでも急性期痛がる場合

 

アセトアミノフェン1回500mg x3回の投与で痛がる場合

腎機能が問題なければ1000mgに増量したり、NSAIDsを追加したりします。

また顔面などで浮腫による疼痛も考えられる場合はステロイド内服も併用します。

それでも痛い場合はトラムセットなども検討します、腹部症状に注意です。

 

ちりちり、ぴりぴりした痛みに移行してきたら、プレガバリンも併用します。

入院するような症例の場合、

自分は、入院初日からプレガバリンやタリージェを併用することはなく、

初期は抗ウイルス薬+アセトアミノフェンを使用し、

 

3、4日後か、退院時、退院後1週間程度のフォローからリリカ、タリージェの使用を検討することが多いです。

 

 

おわりに

いかがでしたか。

参考になると嬉しいです。

 

 

 

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