デルマ侍です。
手足症候群について。
今全国的に流行りに流行りまくっている手足口病とは違いますよ。
手足症候群 hand-foot syndrome HFSと略します。
抗がん剤治療によって起こる皮膚の有害事象の一つです。
手足症候群は、2つに分類して考えることがあります。
1 古典的手足症候群
2 分子標的薬による手足症候群
この疾患に関しては10年間の中で年度を変えてちらほらと、皮膚科専門医試験で過去に出題があります。
1 古典的手足症候群
原因薬剤の多くはフッ化ピリミジン系にのる
フルオロウラシル 5-FU
テガフール・ウラシル ユーエフティ
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム TS-1 ティーエスワン
症状は
しびれ、違和感
焼けるような刺すような痛み
ピリピリ
こんな記事も書いています。
https://dermasamurai.hateblo.jp/entry/20210426/1619388000
2 分子標的薬による手足症候群
分子標的製剤の場合
原因薬剤
ソラフェニブ マルチキナーゼ阻害薬
スニチニブ VEGFR阻害薬
症状
荷重部に一致するような発赤
違和感
踵などの加重部は角化を起こし、ひどくなると水疱、びらんとなり、歩行も困難になることがある。
よく言われるのは、
古典的にはびまん性で全体的に掌蹠に症状が出るのに対し、
分子標的製剤では限局性
といった臨床的特徴が言われています。
1も2も治療法はあまりありません。
皮膚科医としてはヒルドイドソフト軟膏の頻回外用で予防、
赤み、痛みなどが強い場合はアンテベート軟膏などを1日2回、掌蹠の場合は3-4回
エビデンスはありませんが、ビタミンB製剤内服を併用することもありますがたい何より保険診療で切られるかもしれません。
Grade2-3では、休薬、減量が推奨されています。
Grade2 →原則休薬
Grade3 →休薬、再開時の減量
お読みいただきありがとうございました。