ATLLの皮膚型
デルマ侍です。
時々見る、ATLL (ATL)
成人 T 細胞白血病・リンパ腫(Adult T-cell leukemia/lymphoma)
専門医試験でも時々でます。
2018-70など
1970年に初めて知られた病気で、
日本国内では九州、沖縄、また北海道で多いと言われています。
臨床型は、日本では、下山分類があります。
皮膚悪性腫瘍ガイドライン第 3 版 皮膚リンパ腫診療ガイドライン 2020
より
皮膚科医としては、
皮疹があって、生検してATLLが疑われた場合に、下山分類で、どのタイプになるのか、が毎回気になってくるところであるのだが、
下山分類は、皮疹の有無は関係なく、
どのステージでも皮疹はでてもいい。
一部のエキスパートオピニオンでは、
「皮膚型ATL」(皮膚型ATLLや皮膚型ATL/ATLLなど)とすることもあるが、
明確な定義はなく、
多くの皮膚科医が見るのは「血液に異常がなく皮膚病変だけある」場合で、
多くは「くすぶり型」に含まれる。
くすぶり型の一部が「皮膚型」ということになる。
下山分類の定義では、
くすぶり型は
・末梢血異型リンパ球が5%以上
か
・異型リンパ球が5%未満だが「皮膚か肺」にATLLの腫瘍細胞の存在が確認される場合
となっている。
皮膚科医としては、
「異型リンパ球が5%未満だが皮膚病変にATLLの腫瘍細胞の存在が確認される場合」を皮膚型として欲しいのですが…
正確な定義は、多分今のところないです。
「腫瘍細胞の存在の確認」は、組織からウイルスの【モノクローナルな取り込み】の証明が必要です。
例えば、
・HTLV-1抗体陽性
で
・皮膚病理でリンパ細胞の異型、腫瘍性増殖があり、リンパ腫が疑われる
だけでは、皮膚のATLとは診断できませんので、注意が必要で、
ウイルスの存在を証明するには
・リンパ腫が得意な大学病院の研究目的
か
・MLnetで調べてもらう
ことが必要で、一般病院の染色だけでは証明できません、
面倒ですね。
ガイドラインにも
「ATLL の特異疹とは、ATLL の臨床型は問わず血清抗 HTLV-1 抗体陽性で、皮膚組織に HTLV-1 のモノクローナルな取り込み」が認められるもの、とされています。
MLnetとは?
SRL外注で行っている、
悪性リンパ腫総合解析検査「ML-NET」
https://test-guide.srl.info/hachioji/test/detail/T00000053
ここ最近の先生方でリンパ腫にお詳しいという印象が(個人的に)あるのは
戸倉先生
岩月先生
菅谷誠先生