皮膚科専門医が知っておくべき免疫染色
デルマ侍です。
皮膚科専門医試験でよくでる、免疫染色について。
免疫染色腫瘍別
免疫組織化学染色
Merkel細胞癌 NSE CK20 chromogranin A
外陰部Paget病 CK7 CEA GCDFP15
悪性黒色腫 S-100 HMB45 MELAN A (MART1)、SOX10
血管肉腫 factor VIII CD31 CD34、D2-40
Kaposi肉腫 CD31 CD34 D2-40 HHV8-LNA1
皮膚線維腫 factor XIIIa
隆起性皮膚線維肉腫 CD34
類上皮肉腫 cytokeratin, vimentin, CD34, EMA
悪性末梢神経鞘腫 S-100 NSE CD57
有棘細胞癌 CK1、CK10 、AE1/AE3 、 CK5/6 、(ときにCK19とEMAも陽性、Ber-EP4 陰性)
基底細胞癌 Ber-EP4 (EMAは陰性)
専門医試験で頻出で特に押さえておくべきは、
外陰部Paget病 CK7 CEA GCDFP15
悪性黒色腫 S-100 HMB45 MELAN-A (MART1)、SOX10
とCK20 CD34あたり
S-100はメラノーマに対して特異度低い
です。
免疫染色正常組織
免疫染色 正常組織
ケラチノサイト cytokeratin
メラノサイト S-100, MelanA(MART1), MiTF
ランゲルハンス細胞 S-100, CD1a, langerin(CD207)
メルケル細胞 CK20
血管内皮細胞 CD31, CD34, Factor VIIIrAg
リンパ管内皮細胞 CD31, D2-40
周皮細胞 α-SMA
平滑筋細胞 α-SMA, desmin
横紋筋細胞 desmin, Myoglobin
シュワン細胞 S-100
※AE1/AE3 という染色もある。
AE1は酸性サイトケラチン(Type I)のCK10/12/14/15/16/19
AE3は塩基性ケラチン(Type II)のCK1/3/4/5/6/7/8
過去問
特に、悪性腫瘍の過去問でよくでます。
皮膚科専門医試験 過去問
2018-66問題
メルケル細胞癌について誤っているのはどれか.
1.高齢者に好発する.
2.自然消退することがある.
3.腫瘍巣は表皮に連続しない.
4.サイトケラチン 20 の染色で細胞質がびまん性に陽性となる.
5.メルケル細胞ポリオーマウイルス感染は一般人口の半数程度に認められる.
皮膚のメルケル細胞癌では、CK20が核近傍、細胞質にドット状の陽性
になります。細胞質が引っ掛けです。
また、CD20との引っ掛け問題も過去に出題されていました。
2019-87問題
92 歳の男性.下腿の紅色腫瘤を主訴に受診し た.組織像を示す(図 24a,b).Merkel 細胞癌と B 細胞性悪性リンパ腫の可能性を疑い,CD20 の免疫組織化学染色を行った(図 24c).CD20 が陽性になる腫瘍細胞の部位はどれか.
1.核質
2.核膜
3.細胞質
4.細胞膜
5.細胞間
2015-10問題
メルケル細胞に関して正しいのはどれか.2 つ選べ.
1.表皮顆粒層直下に局在する.
2.掌蹠などに多く分布する.
3.電顕的に有芯顆粒を有する.
4.CK21 を特異的に発現する.
5.神経終末器に由来する
CK21が何を染色するのかはよくわかりませんでした。
過去問まとめnote
悪性腫瘍の過去問まとめシリーズ
皮膚科専門医試験の過去問を分野別に、年度をこえて、似た様な設問を並べて、まとめて解説しています。
解説の中身はこんな具合です。
お読みいただきありがとうございました。
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