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色素性痒疹について

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デルマ侍です。

色素性痒疹について。

 

 

色素性痒疹

色素性痒疹prurigo pigmentosa (長島)

女性に多い

胸部、背部などの体幹などに、掻痒の強い紅斑を生じ、網目状の特徴的な色素沈着を残す。

糖尿病の合併が指摘されているが、

その本質は「高血糖」状態ではなく、「ケトーシス」がこの特徴的な皮疹を呈するなんらかの機序を担っていることがわかってきている。

 

病理は苔癬型組織反応、液状変性を認め、炎症が落ち着いたのちは組織学的色素失調を認める。

 

ケトーシスとは

ケトーシスは、1型糖尿病の急性発症、糖尿病性ケトアシドーシスや急激なダイエット、特に糖質制限ダイエット、断食など(選択肢では体重減少)に伴って生じることがある。  

ベースに未治療などの糖尿病があり、高血糖状態が持続することでその結果インスリン抵抗性が生じた状態、ないしはインスリン欠乏状態において糖分を多く含む清涼飲料水を多飲すると、ブドウ糖代謝できずに、ケトン体が大量にでる。結果高ケトン血症や尿ケトン陽性となる。

 高血糖でない人間が大量に清涼飲料水を飲んでもケトン体はでない。

「ペットボトルの過飲」では、中身が水やお茶であった場合には低Na血症になったとしても、DMの人でも高ケトン血症にはならない。

他、子供の登校拒否、メンタル不調で朝食を抜く、や、糖質制限ダイエットなどで糖分を取らないことでもエネルギー産生のためにケトン体回路がまわり、ケトン体が大量にでる。

日本人が発見した病気

1971年に日本人の長島先生が症例をあつめて報告したため、長島、とも呼ばれる。

長島正治先生

 

治療

DDSやミノサイクリンが有用

未治療糖尿病、ケトアシドーシス合併時には内科にも相談を

 

 

長島正治先生

長島正治先生ってどんな人?

 

経歴を覚える必要はありませんが、

日本人の名前がついた病気はよく専門医試験でもでるので、造詣を深めてもいいでしょうか。

皮膚科の病気に名前がついている先生はだいたい東大のイメージがありますが、この先生は慶應、杏林の先生のようです。

 

Wikiによると、

1929年2月 - 東京都渋谷区に生まれる。

1949年 - 日本歯科医学専門学校卒業。歯科医籍登録。

1954年 - 慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院で実地修練。

 

なんと!医学部の前に歯学部をでられておられるのですね、、、両方ライセンスが!

そこからまた6年間勉強されたのち、医学部を卒業されています。

 

1955年 - 医籍登録。慶應義塾大学皮膚泌尿器科入局。

 

昔は、ウロデル、ウロデルマと呼ばれた様に、泌尿器科と皮膚科は一緒でした。

 

1956年 - 市立小樽病院医員。

慶應から小樽に派遣ですか・・・昔は、都市部の大学病院も全国に本当に派遣先を持っていたのですね。

 

1957年 - 慶應義塾大学皮膚泌尿器科帰局。

1960年 - 医学博士。「結節性皮膚血管炎の臨床的並びに病理組織学的研究」

1961年 - 慶應義塾大学助教授。 

1974年 - 杏林大学皮膚科教授(初代)。

 

そして杏林大の初代皮膚科教授にご就任されています。

 

長島先生は、長島型掌蹠角化症も報告されています。

島型PPKは、その後、慶應大の久保先生が遺伝子を発見され、試験にも頻出です。

 

https://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2013/kr7a4300000cn5mi-att/131025_1.pdf

 

過去問

2018-20

17 歳,女性.両肩から上腕にかけて,痒みを 伴う発疹があり受診した(図 3).紅斑部からの生検 像で,苔癬型組織反応がみられた.本疾患に最も関 連性が高いのはどれか.

1.HCV 感染症

2.急激な体重増加

3.繰り返す喘息発作

4.ペットボトル飲料の過飲

5.アロマオイル使用後の光線曝露

 

 

 

2018年平成30年度の皮膚科専門医試験解答解説集はnoteでも公開しています。

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おわりに

お読みいただきありがとうございました。

 

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参考文献、引用元

Nagashima M: Prurigo pigmentosa- Clinical observations in 14 cases. J Dermatol 1978:5:61-7.

ja.wikipedia.org

 

 

https://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2013/kr7a4300000cn5mi-att/131025_1.pdf

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