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はじめに 〜皮膚科専門医試験対策〜

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骨粗鬆症の薬

整形の先生たちは、骨粗鬆症の薬をどのように変更しているのか、

 

について、一つ参考になる論文がありましたので、

Nは少ないですが、検討します。

 

 

対象となる患者さんは

骨粗鬆症による椎体骨折】を起こして入院が必要になった166名です。(女性が110.男性56)

 

 

166名のうち、入院前に治療を受けていたのは27人 16.3%のみでした。

 

 

 

27人のうち、

 

骨粗鬆症による骨折】

が起きたあと、整形外科の先生が治療をかえるか?というところが気になるポイントであったのですが、

 

 

入院前の投薬を受けていた治療人数27人

退院時に新規に投薬を開始されていた人は52人でした。(投薬を受けておらずそのまま退院した人も結構いるということ)

 

 

入院前から骨粗鬆症の治療を受けていた人は、

【整形外科以外 内科の開業医】から投薬を受けていた人も多いと思うので、

一般的な薬のポピュレーションの参考になるのではと思います。

 

 

 

入院前

活性型ビタミンD 63%

ビスホスホネート 26%

エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)

4%

デノスマブ 8%

 

入院後に新規に整形外科医が開始した薬は

ビタミンD3 12%

ビスホスホネート 15%

SERM 1%

テリパラチド 11%

デノスマブ 7%

 

 

となっているのが特徴的です。

【骨折が起きてしまった】ハイリスクな患者さんたちには積極的に皮下注射製剤のテリパラチドやデノスマブも使っていることがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 整形外科73(9).2022

③骨密度、骨粗鬆症について

侍です。

骨吸収と抑制の薬でどんなのがあるか。

薬の分類をみていきます。

 

 骨吸収抑制の薬

骨吸収抑制の薬は

ビスホスホネート薬(ビスフォスフォネート)

SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)

カルシトニン薬

抗RANKL抗体薬

になります。

 

BP製剤には、毎日内服のもの、週1、月1(ないし4週に1回)のものがあり、

RANKL製剤のプラリアは、半年に一回となっています。

 

 骨形成の薬

骨形成の薬は、

副甲状腺ホルモン製剤

抗スクレロチン抗体

になります。

 

抗スクレロチン抗体(先発商品名イベニティ、一般名ロモソズマブ)は月1の皮下注製剤になります。

副甲状腺ホルモン製剤は、毎日打つもの(商品名 先発フォルテオ、一般名、後発テリパラチド)、週1(テリボン)、週2(テリボン)のものがあります。

 

フォルテオは1本が28日分のキットとなっており、自分で毎日打つものになります。

打てる患者さんであれば、骨形成の骨粗鬆薬のほうが主流のため、整形外科では副甲状腺ホルモン製剤を積極的にだすことが多いようです。

 

(ちなみに、ロモソズマブとテリパラチドの違いは「テリパラチドは骨形成促進を維持し、

ロモソズマブは骨形成促進がスパイク状に生じ同時に骨吸収抑制も生じる。

そのため、ロモソズマブの効果は前駆細胞から骨芽細胞への文化を促進しリモデリングにも作用する」そうです。)

 

 皮膚科医が骨粗鬆症の薬を出すなら

 

皮膚科医がPSL大量投与の予防投薬で骨粗鬆症の薬を出すなら。

もし既存骨折などがなく、ハイリスクでなければ、従来通りのビスフォルフォネート製剤やランクル製剤でも問題はなさそうです。

ただ、骨吸収抑制の薬なのと、長期投与、投与中止時などのリスクを伴っている、という認識は必要だと思います。

 

皮膚科医が骨形成の薬をだしてはいけない、ということも特にはありませんので、

メインストリームにのって、骨形成の薬を使用して行っていいと思います。

ただ、

レセプト上、投薬に制限がある薬もあること

(イベニティは、骨粗鬆症性椎骨骨折の病名が必要です。

また地域により、ファルテオなども事前脊椎Xp、骨密度検査、骨折の既往などの記載がないと返戻をくらう可能性もありそうです。)

多くは皮膚科が処方する対象患者は高齢者が多く、自己注射が難しい場合があること、

また落ち着いているPV,PF,BPの患者さんでは3ヶ月通院でPSL 5-10mg台、で維持、といったことも多いでしょう。

そうなると、半年に一回のRANKL製剤や、BP製剤の飲み薬が、通院間隔とはマッチするかもしれません。

 

若年のPVなどで、自己注射が可能で、さらにかなり長期間のPSL内服を今後も要する場合は、骨形成の薬を使用してもいいかもしれません、

が、ここでもう一つ注意が、

 

骨形成の薬は使用期間が決まっていて

イベニティ →12ヶ月

フォルテオ→ 24ヶ月

となっています。

 

この投薬後はビスホスホネート製剤に切り替えることが一般的です。

 

 骨粗鬆症の通院診療

 

PSL大量投与での予防投薬では、

まずは使いやすいBP製剤内服を行いながら

年1で骨密度の検査をしていきながら、

低下傾向があれば 骨形成薬に切り替え 1-2年、 整形外科の傾向ではその後またBP製剤などに戻すことが多いようです。

 

整形外科の方では骨折が起きてから受診して、

という方も多いことから、

骨形成の薬を使うことが主流になってきており、

RANKL製剤も半年に1回で使いやすいものの、オーバーシュートの副作用のため、1stチョイスとなることはかなり減ってきたそうです。

 

 おわりに

今日もお読みいただきありがとうございました。

 

②骨密度、骨粗鬆症について

骨粗鬆症の薬について。

 

非専門医である、自分のざっくりした勉強ノートであることをご理解ください。

 

 骨粗鬆症の薬 分類

 

骨粗鬆症の薬は大きく分けて、2つ+α

 

1.骨吸収抑制

2.骨形成促進

か。

 

整形外科の骨粗鬆症診療の主流は、

「骨形成促進」の治療となってきています!

 

 

よく使う、ビクホスホネート製剤BPは、

骨吸収抑制の方になります。

 

BP製剤については皮膚科の専門医試験でも出題されたことがあります。

(個人的にはあの出題はどうかと思います。)

 

 骨粗鬆症薬の使い方 注意点

 

骨吸収抑制のお薬にはいくつか注意が必要で、

たとえば

ランクル抗体 デノスマブ 商品名プラリア は、

投与期間の制限はないものの、

プラリアを中断すると「骨密度減少と骨折のリスクが非常に高まる」ことが言われており、

整形外科領域では非常に気をつけておられる先生が多いようです。

そのメカニズム、原理としては「オーバーシュート」と言われており、

ランクル製剤は骨吸収抑制の薬ですので、

抑制していた破骨細胞が再活性化した時に今まで以上に暴走して骨吸収されてしまい、骨がとっても弱くなってしまうことが起きるようです。

それも怖いですね。

金銭面で途中で継続をせず、投与をやめたりすることもありますよね。

 

 

また、同じく骨吸収抑制の、ビスホスホネート製剤で、

月1静脈注射をする、ボンビバ(イバンドロン)も、数年やった後は非定型骨折のリスクがあるとされています。

 

非定型骨折とは、骨は一見硬いのに折れやすくなって骨折のリスクが上がるとされています。

こちらも注意ですね。

 

 

 おわりに

次に続きます!

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

①骨密度、骨粗鬆症について

ステロイド大量投薬開始時に、骨粗鬆症の治療を開始したり、

 

引き継ぎでずーっと骨粗鬆症の薬を使っているけど、

このままずっとステロイドが減っても(PSL3-5mg/日など)、続けるのか?

 

など、診療で疑問があることもあります。

 

 

骨粗鬆症関連について勉強しました。

 

 骨密度の検査

 

骨密度検査はどのくらいで取るのか?  

 

骨密度検査は、保険診療上、4ヶ月おきにとっても算定されないようです。

ただ、皮膚科医で4ヶ月おきに取ることはあまりなく、

多くはPSL内服に伴う予防投薬中の患者さんでは1年おきに骨密度検査をすることが多いと思います。

 

整形外科でも、状況によりけりのようですが、6ヶ月に1回〜1年に1回

の頻度で骨密度検査をすることが多いようです。

 

 

 おわりに

 

次に進みます。

③整形外科の人工関節置換術と金属アレルギーの検査について

デルマ侍です。

 

では、

金属アレルギーが疑われる、

金属アレルギーかも?と言われて整形外科さんから依頼があった場合、どうしたらいいか?

 

というアプローチについて考えていきます。

 

 

 金属アレルギーの診察、診断

 

 

1.問診、視診

金属アレルギー疑い、となった経緯について確認をします。

 

金属に接した部分が被れるか

汗疱性湿疹がでるか

口腔内にLP(OLP)などはないか

 

金属の接触皮膚炎では、

アクセサリーのほか、時計、メガネの鞘、ベルト、鞄などの接触でも症状が出ていないか確認をします。

汗疱性湿疹は、チョコやナッツ、コーヒーなどの嗜好歴がないか、摂取により悪化しないか、を確認します。

 

2. 低アレルゲン性の金属での人工関節置換術が可能かどうか聞く

 

診察により、金属アレルギーが疑われる場合、

パッチテストも検討ではありますが、

パッチテストのデメリットとして、「パッチテストによる感作」のリスク があります。

48時間背中に金属イオンを貼るわけなので、そこで感作することもあります。

それもリスクですよね。

 

アレルギーの頻度が多いのがニッケルになっており、男性ではクロムも多いので、

【ニッケル、クロムフリー】の素材で人工関節置換術が可能であれば、それを行なってもらう、

のも一つの手となります。

 

素材については昨日のブログでも書きました。

 

 

3.パッチテストの希望があれば実施する

 

もしその上でパッチテストの希望があれば、行います。

ただ注意は、

検査後の遅延反応も見るため、

3-4週間後の判定を待ってからの手術スケジューリングとなることをご了承いただければと思います。

 

 おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

参考文献

Roberts TT , et al: J Am Acad Orthopedic Surg 2017

足立剛也、臨床整形外科、2023

②整形外科の人工関節置換術と金属アレルギーの検査について

デルマ侍です。

 

人工関節と金属アレルギーのお話の続きです。

 金属アレルギーで遅れて出てくるもの

 

 

パッチテスト後、遅延する金属アレルギーの検査として、

【金、パラジウム

があることを前回勉強しました。

 

 人工関節で使われる金属の素材とは?

 

では、

整形外科で使われている金属はどのようなもので、

また、

日本人の金属アレルギーで多い金属はなんだったか?について勉強します。

 

 日本人の金属アレルギー 多いのはニッケルと金

 

まず日本人で多い金属アレルギーは、

総じて、

ニッケル、金

が多い現状です。

 

女性はニッケル、金

男性はクロム

が多いとされていますが、クロムは減少傾向です。また、この頻度は年度により変化がありますので、

試験問題対策としては、

・いつの出題の過去問か

・これから受ける先生は、最新の順位はどうなっているか

を確認していただければと思います。

 

人工関節で使われる金属の素材とは?

 

 では、整形外科で使う金属はどのような材料からなっているのか。

 

 

アレルギーが起きにくい素材の人工関節などの金属は、

・オキシニウム

(97.5%ジルコニウム、2.5%ニオビウム)

 

・チタン合金 

メインチタンの他、0-数%で、モリブデン、アルミニウム、バナジウム含有

 

・バイタリウム

ニッケルを除くコバルトクロム合金 

 (61%コバルト、32%クロム、5.6%モリブデン

 

 

 

とされています。

 

アレルギーが起きやすいとされる人工関節の金属材料は、

ニッケル、コバルトの含有量が多いものとなっており、

・コバルトクロム合金

・ステンレス鋼(鉄50%、ニッケル8-35%、クロム20%、モリブデン

・ニチノール(ニッケルチタン合金)

 

などとされています。   

 

 

患者さん向けの人工関節のサイトでこのようなものもあります。

 

www.jinko-kansetsu.com

 

 

自分でも知ってる、strikerの製剤だとどんな素材なのか調べてみますと、

 

ストライカー人工膝関節Durationコンポーネント(脛骨インサート、膝蓋骨コンポーネント)では

超高分子量ポリエチレン、コバルトクロム合金 (コバルトクロム合金にはニッケルが含まれている)

とされています。

 

次に進みます。

① 整形外科の人工関節置換術と金属アレルギーの検査について

デルマ侍です。

 

時々、整形外科の先生から皮膚科など

「患者さんが金属アレルギーがあるかもと言っているのですが、

人工関節の手術前に検査してもらえませんか?」

と言った依頼が来ることがあります。

  

 金属アレルギーの検査には時間がかかる

 

整形外科の先生がもしこちらのブログを見ることがあれば、お願いしたいことは、

 

【手術の2ヶ月前などに依頼】いただくことです。

アレルギーの検査結果が1ヶ月かかるため、 もしパッチテストをやるとなると、

直前では有益な情報をお伝えすることができません。

 

時々、「来週入院予定で人工股関節をやるのですが、大丈夫ですか?」

といった依頼さえ受けることがあります。

 

皮膚科専門医を目指す先生たちや皮膚科医の先生たちは、どのようにアプローチしていけばいいか、勉強します。

 

 金属アレルギーの基本知識

 

 

まず前提として、

 

・金属アレルギーは血液検査はできない

ということ

現状はパッチテストが最も標準的な検査となります

 

・パッチテストのため、

基本予約制で、当日できないことがほとんどです。

 

多くの病院では、

月曜パッチテストスタート、水曜、木曜に、翌週月曜日にフォロー

火曜スタート、

といった予定スケジュールを組んで、平日内に終わるようにしていることがほとんどだと思います。

そのため、

水曜日に患者さんがいらして、同日からすぐ検査できるか?というとできないことがほとんどです。

 

パッチテストの流れについてはこのような記事も書いています。

 

dermasamurai.hateblo.jp

 

・最終判定はパッチテスト貼付後、1週間後が基本ですが、

遅延して陽性になってくるものがあります。なんでしょうか?

 

 

専門医試験を受験予定の先生は、

この僕の質問にすぐ答えられますでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去問対策としては、

金、フラジオマイシン

ガイドライン上、押さえておきます。

他に、金属では、【パラジウム】も遅れて陽性になってきます。

 

 

 

後半に続きます。

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