こんにちは。はじめましての方、はじめまして。デルマ侍です。皮膚科専門医試験の勉強対策と解説を行っています。
皮膚科専門医試験2020年度の試験問題について、勝手に解説していきます。
また勉強方法、試験対策についても触れていきます。
皮膚科の専門医試験は2019年からは選択100問、記述20問です。記述の得点配点は1問2点との噂が多数です。記述の採点もマークシート式で集計されるので、0か2かになると思います。しかし実際のところは公表されていません。
ここでは簡単に合計120問として、どのくらいの比率で過去問との相同性があるのか、検討していきます。
以下、3つのセクションに分けてみました。①過去問と傾向が変わった問題 ②過去問とほぼ同じ問題 ③過去問と傾向は同じであるが、勉強していないと解けない問題 です。
過去問と少し毛色が違うと感じた設問 合計16問
2020-11
肥満細胞を特に勉強していた人は少なそうな気がします。
細胞、染色について細かく勉強するには
皮膚病理イラストレイテッド 今山修平先生の教科書がおすすめです。
2020-13
日本人の疾患問題としては出題傾向ではあるものの、新しい設問と感じました
2020-49
DIHSの被疑薬で腎障害に注意すべきものはどれか。DIHSの原因薬剤はそれ自体も免疫抑制がある程度ともなっている薬剤によって起こると考えられており、ある程度決まっていることがわかってきています、その中で特に腎障害は、となる設問は新しいように感じました。
2020-56
遺伝子、遺伝性皮膚疾患に関連して。問題の難易度は高くないと感じますが設問としては新しい傾向です。バイブル あたひふでも最終章に遺伝の話が掲載されていますが、これも古い版には掲載されていなかった新しいトピックスです。時代の流れを感じました。
2020-60
黄色腫関連の設問はありましたが、T-chol正常、TG高値の時に見られる疾患は、というレベルでは新しい設問な気がします。(過去問さらって確認し場合により追記します)
2020-61 爪 セレン
2020年の受験者でも非常に正答率が低かった問題です。爪のCKD HD half and half nailなどは過去にでていましたが。この手の出題は過去問で頻度は低いと思います。
爪 セレン、亜鉛、鉄あたりのまとめノートを作成中です。
2020-65
薬DI問題としては頻出のテーマですが、ベキサロテンについて勉強していたかが分かれ道です。発売日は2016年の4月です。大学病院やがんセンターの勤務の先生方は身近ですが、クリニック、市中病院ではあまり使い慣れていないかもしれません。
2020-79
NEAEは日本人に多いのですが、過去問であまり見たことがない気がします。地方会などではしょっちゅう発表されますよね。(過去問再度確認し、追記します〜)
2020-86
女子医大教授であられた川島先生の論文からです。ディフェリンがどの点で優れた薬剤なのか、注目していないと正解できないですね。患者さんへのリーフレットにもよくみると正解が導けるように書かれています。
2020-89
MRIの造影剤 Gd ガドリニウム国試でもでそうな問題ですね。皮膚科の専門医、って感じはしないのですが。(笑)正答率はさすがに高そうですね。
2020-90
医療倫理、面接的な、新しい問題ですが、実際の正答率高いです。
2020-92
知らないと解けないような新しい問題ですが、選択肢だけを見ても答えが推測できてしまう問題です。受験テクを知り尽くした受験生に有利だったと思います。
2020-記2
よく略で言ってしまう疾患のフルスペルを書かせる問題はよくでています。PLEVAは初めてですかね。
2020-記4
よくでる薬DI問題ですがアメナメビルは新しい薬なので初めての出題です。発売日は2017年の9月です。飴を舐める・・・。直前発売の薬剤は出題されにくいです。
2020-記10
数年前はまだら症がよく出ていました。ジョニデのSweeney Toddもこれです。
2020-記13
新しい出題です。出題委員の方も特定できそうです。
こんな記事も書いています。
過去問の関連問題の割合
上にあげた出題以外は、過去問を広く勉強していたらなんとなく正解できそうな問題と思いました。全ては無理でも80%くらいはいけるのではないでしょうか。上記で120問中、16問(13%)でした。
単純計算で過去問中心+あたひふの周辺勉強で、
以下の仮定で、
過去問とほぼ同じものは正解 12問中12問正解
広く勉強する方法をしていれば80%正確できる 73問中58問正解
新しい傾向の問題は全て間違えてしまう16問中0問正解
(記述の得点が2点の場合は少し計算が異なりますが、仮に1点ずつとすると)70%くらいの正答率は望めるでしょうか。合格のボーダーは公表されておらず、相対評価が含まれるとはいえ、60%の得点率は合格と考えられています。合格への道も見えてきました。
専門医試験が実際にどのタイミングでどのように作られているのかも検討しています。
過去問とほぼ同じ 合計12問
2020-6 毎年でますので、押さえましょう。
2020-15
2020-16
2020-28
2020-32
2020-48 正答率100%
2020-52
2020-54
2020-68
2020-70 MFの亜型
2020-71
2020-記14
勉強方法についてこのような記事もかいています。
10%は過去問の焼き直し
77%は過去問の周囲まで広く勉強していれば解ける問題
13%は新しい傾向の問題
という結果となりました。
77%は、周辺知識まで広く深く勉強していれば問題なく対応できると思いますが、過去問の答えだけを覚える勉強法だと10%程度しか対応できないと思います。
過去問3年分をあたひふを中心に、ガイドライン、セミナリウム、講習会テキスト、マルホセミナーなどなどを利用してあたひふに載っていない部分を補いながら、出題されているテーマに関して深く勉強すれば大丈夫です。
得点率80-90%を目指すようであれば、にっぴかいが発行しているものに広く目を通し、ガイドラインやセミナリウム、りんぴのトピックスを読み漁り、地方会の抄録に目を通し、出題委員の所属施設の論文を漁り読み・・・とやっていけば完璧です。
やりすぎても、困ることはありません。
2020年度は新しい傾向の問題の比率が13%は、例年と比べてやや低いように感じて少し易化したように感じました。
また今後2019年以前の問題とその傾向についても書いていこうと思います。
みなさんの合格につながれば幸いです。
2020年令和2年度皮膚科専門医試験の解説集をこちらで公開中!
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