デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説

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抗真菌剤の投与量 皮膚科専門医試験

こんにちはデルマ侍です。

 

 

抗真菌剤の投与量について過去問がありましたので、見てみます。

Twitterでも先日ぼやきました。

 

 

2017年の過去問になります。

 

 

2017-29

 


問題 29.爪白癬の治療法について本邦で保険適用がある標準的な用法・用量はどれか.

1. イトラコナゾール 100mg/日を連日投与する.

2. イトラコナゾール 200mg/日を 1 週間投与し,3 週間休薬することを 3 回繰り返す.

3. イトラコナゾール 400mg/日を 1 週間投与し,3 週間休薬することを 3 回繰り返す.

4. テルビナフィン塩酸塩 250mg/日を連日投与する.

5. テルビナフィン塩酸塩 500mg/日を 1 週間投与し,3 週間休薬することを 3 回繰り返す.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがですか?

 

答えは3です。

 

 

テルビナフィンは、1日1回内服で、125mg/日

海外ではテルビナフィンの投与量は、 250mg/日内服となっています。

パルス療法はありません。

 

添付文書は、

 

用法及び用量
 

 

 
通常、成人にはテルビナフィンとして125mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

 

となっています。


イトラコナゾールのパルスでの投与量は、200mg/回x2 回 /日を 1 週間投与し、3 週間休薬 3クール

となっています。

 

添付文書は、

「表在性皮膚真菌症(爪白癬以外):
通常,成人にはイトラコナゾールとして50~100mgを 1 日 1 回 食直後に経口投与する。ただし,爪カンジダ症及びカンジダ性 爪囲爪炎に対しては,100mgを 1 日 1 回食直後に経口投与す る。なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし, 1 日最高用量は200mgとする。
・爪白癬(パルス療法):
通常,成人にはイトラコナゾールとして 1 回200mgを 1 日 2 回 ( 1 日量400mg)食直後に 1 週間経口投与し,その後 3 週間休薬する。これを 1 サイクルとし, 3 サイクル繰り返す。なお, 必要に応じ適宜減量する。」

 

 

 

この時には発売されていませんが、

今はネイリンも使用可能です。

(2019年6月から長期処方加納)

 

ネイリンのポイントは、

・妊婦禁忌

・12週内服

・ワルファリン併用注意

・CYP3Aにより代謝される、

シンバスタチン、ミダゾラム 併用注意

あたりをおさえておきます。

(併用注意と禁忌は分けて理解します)

 

 

 

 

またこの問題は、選択肢の並びからも、答えが1つならば、テルビナフィンはまず選びにくいのですが、皆さんはどのように感じましたか?

 

小手先テクですが、このような記事も書いています。

 

https://dermasamurai.hateblo.jp/entry/20210507/1620338400

 

https://dermasamurai.hateblo.jp/entry/20210331/1617148800

 

 

 

 

 

 

あと、テルビナフィンは、日本の添付文書でカンジダの適応がありますが、

効かないのでやめましょう。

イトラ使ってくださいね。

これ、よくわかんないのですが、後輩にも続出していて、何回も言ってるのにまた処方してるのを見るんですわ。

なんでなんでしょう…

後輩がテルビナフィン出した後(しかも6ヶ月)、イトラやり直しから自分が担当したこともあります。

ここで愚痴ります…

みなさんは出さないように…

2021-8皮膚科専門医試験

問題 8
光角化症に対するイミキモド(ベセルナクリーム)外用治療について保険適用
上、正しいのはどれか。


1手背の病変にも外用できる。
2.禿頭部の病変にも外用できる。 
3. 4 週間塗布後、2 週間体薬する。
4 1 日 1 回、治療部位(50cm2 までを目安)に最大 2 包まで外用できる。
5 顕在化した病変および周囲の癌化準備領域を含めて治療する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え 2 5

 

皮膚科専門医試験

ベーチェットとオテズラ

 

 

 

 

 

デルマ侍です。

 

 

 

オテズラの適用に、2019年9月ベーチェット病の口腔潰瘍が通っています。

オテズラの発売は2017年でした。

 

ベーチェット病の患者さんにオテズラをまだ使ったことがないので、

早く実感してみたいですが

その症例に巡り合ったときのために、

勉強をしていきます。

 

 

ベーチェット病の疫学

 

サルコイドもそうですが、疫学、 たまにきかれますね。

 

昔は男が有病率が高い、とされていますが、

今日本では若干女性がやや多い状況です。

しかし重症例は男性の方が多い。

年齢は30代後半に多いです。

 

ベーチェット ばっちこいB51

 

 

ベーチェット病とオテズラ

 

ベーチェット病の口腔潰瘍 に対して 適用が通っています。

 

口腔潰瘍、

というのはポイントですね、他の症状には

・効果がない

・効果があるが適応外

ということです。

 

神経などは効果がなさそう

EN 毛嚢炎様皮疹 外陰部潰瘍などには効果がありそう

ともいわれています。文献もまた調べてみます。

 

 

オテズラの推奨度

 

ベーチェット病ガイドライン2020がでています。

その中でのオテズラの推奨度は 推奨度B

 

結構高いです。

 

エビデンスレベルは1b

 

エビデンスレベルの仕組みを聞く問題はありましたが、薬剤や処置ごとにエビデンスレベルを問う問題はでたことはありませんしでないでしょう。最近の皮膚科のガイドラインでは推奨度をのせないものもありますが、のっているガイドラインでは専門医試験は頻出項目。他学会のものとはいえ、ここは個人的にチェックしておきます。)

 

ガイドライン

 

他の薬の推奨度をみてきますと、

口腔内アフタに限ってですと

推奨度 A ステロイド外用

推奨度 B アプレミラスト

     コルヒチン内服

     粘膜保護薬 レバミピドスクラルファート

推奨度 C1 ステロイド全身投与

      抗菌薬

                    TNF阻害薬

 

 

 

 

となっています。

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

オテズラ

オテズラ

お世話になっています。

 

次の記事とあわせて、ベーチェット病に特にfocusして、勉強 復習をします。

 

 

オテズラ

 

オテズラ

一般名 アプレミラスト

PDE4阻害薬です。

 

セルジーンという会社から、オテズラ部門がアムジェンに買収され、現在MRさんはアムジェンが担当しています。

 

剤形は錠剤 10mg 20mg 30mgです。

基本使用は30mgで、10mg 20mgは初期投与量となっています。

 

飲み方

 

副作用軽減のため、

漸増して内服するやり方が特徴的です。

スターターパックがでていますので、

医者側は細かい用量は覚えなくてもいいと思います。

 

1-5日まで増量して6日目から朝30mg 夕30mg内服

はじめはスターターパック使用

 

でいいかともいます。

 

 

添付文書の用法用量には、特に「適宜増減」の記載はないのですが、(腎機能障害患者を除く)

 

経験上、朝30mg 夕30mg内服  1日2回内服 で落ち着いたのち、

副作用や皮膚症状に応じて

1日2回内服→ 1日1回内服 → 隔日内服

としながら調整している先生も多い薬です。

 

 

適用

 

保険適応は2022年10月現在

・尋常性乾癬 Pv

・関節症性乾癬 PsA

ベーチェット病BDによる口腔潰瘍

 

となっています。

 

今後PPP TAOなどにも拡大があるかもしれませんが、ブログを書いている時点ではありません。が効くとおもいます。適応外使用で使っている先生もいることでしょう。

 

副作用

 

過去問でも、薬の副作用で頻度が多いもの、というものは他の薬でもよくでますね。

オテズラは比較的副作用の出現頻度が高く、1-4割でなんらかの副作用がでることがあります。

下痢が一番多く、他、悪心、頭痛、嘔吐など。

初期の漸増投与は副作用の発現をやわらげるため、とされています。

 

 

禁忌

 

禁忌は

アレルギーと妊婦です。

妊婦が禁忌というのは重要です。

併用注意なのか禁忌なのかはしっかり区別して覚えます。

 

流産などのリスクが指摘されていますが、催奇形性については添付文書には書かれていません。妊娠可能年齢の女性に投与していて、妊娠を希望する場合は中止後1ヶ月の避妊が推奨されます。男性側については特に記載ありません。

 

妊婦が禁忌な薬

外用剤なども含めて 記憶を呼び起こしておきます。

2021-7皮膚科専門医試験

2021-7 皮膚科専門医試験

 

 

問題 7 

 

 


慢性光線性皮膚炎(chronicactinicdermatitis)について誤っているのはどれ
か。 1 患者の多くは高齢男性である。 
2.病理組織像で時に異型リンパ球の真皮内浸潤がみられる。 
3.露光部に多様な病変がみられ、時に非露光部にも皮疹が拡大する。 
4 光パッチテストで検出された感作物質を遠ざけることで症状が軽快する。
5.作用波長は主に中波長紫外線であり、 しばしば長波長紫外線から可視光線
に及ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え4

ベーチェット病 ガイドライン

こんにちは。

デルマ侍です。

 

ベーチェット病ガイドライン 2020がでています。

 

https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001177/4/behcet's_disease.pdf

 

皮膚科の領域はどんな先生が携わっているのでしょう。

 

 

 

何度かコメントしていますが、

専門医試験、という観点でいえば

「皮膚科学会」が発表しているガイドラインのほうが出題率は高いです。

ですが、普段の診療においてはとっても重要ですよね。

あとは、この他科領域もかかわるガイドラインの場合、領域ごとに専門家がついているので、皮膚科の先生たちはどのような先生たちなのかなと確認します。

皮膚科専門医試験の委員の先生と重なるところがあるか、を確認します。

 

 

皮膚科 ベーチェット病ガイドライン

 

2021-6 皮膚科専門医試験

2021-6

皮膚科専門医試験

 

 

 

43 歳、女性。約半年前から頭頂部に脱毛斑が出現し徐々に拡大することを主訴に受診した。本患者の脱毛部の臨床写真を図 1 に示す。考えられる疾患はどれか。3 つ選べ
1alopecia areata
2 chronic cutaneous lupus erythematosus
3 Folliculitis decalvans
4 lichen planopilaris
5 tricotillomania

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え

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