オメガ3と皮膚
Yu Sawada, et al; J Exp Med19 October 212 (11): 1921–1930.2015
の論文でオメガ3と皮膚に関する関係が論じられています。
椛島先生、本田先生の京大のグループ！
京大といえばミヤチ先生の論文作成に関するお話を以前しました。
Resolvin E1 inhibits dendritic cell migration in the skin and attenuates contact hypersensitivity responses.
レゾルビンE1は、皮膚における樹状細胞の移動を阻害し、接触過敏症反応を減弱させる。
引用元 京都大学 ホームページ
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2015-10-06
Yu Sawada, et al; J Exp Med19 October 212 (11): 1921–1930.2015
論文紹介
Resolvin E1 (RvE1)とは
レゾルビンE1
3つの多価不飽和脂肪酸に由来する脂質メディエーター
抗炎症作用あり
RvE1は、BLT1とChemR23という2つの受容体を介してその作用を発揮する
RvE1は、ロイコトリエンB4（LTB4）のGタンパク質共役型受容体であるBLT1に結合し、BLT1のシグナルを抑制する
3種の多価不飽和脂肪酸を豊富に含む食事がアレルギーを抑える！？
RvE1の抗炎症作用
樹状細胞（DC）のサイトカイン産生を抑制することによる
この論文では
接触型過敏症モデルマウスで、RvE1がDCの運動性に及ぼす影響を二光子顕微鏡を用いて新たに検討し、RvE1が皮膚におけるDCの運動性を阻害することを明らかにしている。
さらに、RvE1は、排出リンパ節でのT細胞のプライミングと皮膚でのエフェクターT細胞の活性化を弱め、接触型過敏症モデルマウスでの皮膚の炎症を抑えることができた。
一方、ロイコトリエンB4（LTB4）は、DCのアクチンフィラメントの再編成を誘導し、BLT1を介してCdc42とRac1を活性化することでDCの運動性を増加させたが、RvE1はその効果を無効にした。
以上の結果から、RvE1はLTB4-BLT1シグナルの遮断を介してDCの運動性を阻害することにより、皮膚の獲得免疫反応を抑制することが示唆された。
文献:
Yu Sawada, Tetsuya Honda, Sho Hanakawa, Satoshi Nakamizo, Teruasa Murata, Yuri Ueharaguchi-Tanada, Sachiko Ono, Wataru Amano, Saeko Nakajima, Gyohei Egawa, Hideaki Tanizaki, Atsushi Otsuka, Akihiko Kitoh, Teruki Dainichi, Narihito Ogawa, Yuichi Kobayashi, Takehiko Yokomizo, Makoto Arita, Motonobu Nakamura, Yoshiki Miyachi, and Kenji Kabashima
"Resolvin E1 inhibits dendritic cell migration in the skin and attenuates contact hypersensitivity responses"
The Journal of Experimental Medicine, Published October 5, 2015
