発汗テストについて
過去問の出題も交えて。
発汗テスト:ヨードデンプン反応を用いた、ミノール法を用いる
消毒用ヨード液を全身に外用し、ドライヤーで乾燥させたあと、
(外国では)コーンスターチとオリーブオイル1:1混合を全身に外用
(日本では)ヨードとヒマシ油1:1混合を全身に外用
60度サウナで(10-)15分温熱負荷
図はHexsel D, et al: Dermatol Surg. 2010;36(1):120-2..2009より引用
発汗があり濡れると黒く(紫色に)なる。
浜松医大で行われている12箇所のスポット法
全身で行うとコリン性蕁麻疹の場合、疼痛などがあることや
準備、片付けが煩雑のため、浜松医大では12箇所のスポット法で実施しているという
準備物品:
消毒用ヨード液(ヨードチンキ)
ファーザーバレイショデンプン、ヒマシ油(マルイシ)、
(最後にハイポエタノールで拭く)
デンプンとヒマシ油を1:1混ぜておき、6-8cmの円形にヨードをぬって乾いた上に混ぜたものを塗布する。
浜松医大の12箇所スポット 片側
顔面 頸部 上腕 前腕 前胸部 腹部 上背部 下背部 腋窩 手掌 大腿 下腿
ストーブであたためた部屋(室温40度)で10分間、前後で体温測定 試験中にコリン性蕁麻疹の出現の有無を確認。
ただし
※AIGAの診断基準には、「発汗面積」が必要なため、診断のためにはこのスポット法ではなく、
従来の全身でミノール法を実施する必要があることに注意
→スポット検査は確かにいいですね。
今度やってみたいです。
保険点数
600点
診断時と治療効果判定時で、合計2回算定可能
皮膚科専門医試験過去問
2019-記述20に出題あり。
2019-20.( )内に入る適切な語句を記せ. 「ミノール法を行う際には,( ),無水エタノール,デンプン粉およびヒマシ油を用意する必要があ る」
答え ヨード
おわりに
noteはこちら
2020年令和2年皮膚科専門医試験解説集
2018年平成30年度皮膚科専門医試験解説集
参考文献
e-learning
第119回総会 EL10-2 全身性発汗障害(AIGAと減汗性コリン性蕁麻疹)の診断と治療
影山玲子先生 (浜松医科大学皮膚科学講座)
Hexsel D, Rodrigues TC, Soirefmann M, Zechmeister-Prado D. Recommendations for performing and evaluating the results of the minor test according to a sweating intensity visual scale. Dermatol Surg. 2010;36(1):120-2. doi: 10.1111/j.1524-4725.2009.01364.x. Epub 2009 Nov 23. PMID: 19930398.
片桐正博、他:臨皮75,50,2021
影山玲子、他:日皮会誌131(4).707-711.2021