デルマ侍です。
学校感染症について
皮膚科専門医試験の過去問から勉強していきます。
過去問
皮膚科専門医試験の過去問を見ていきます。
2014-85
学校感染症の中で、皮膚症状が出ている間の出席停止が規則で定められている疾患はどれか。 1.手足口病
2.伝染性紅斑(リンゴ病)
3.頭虱(アタマジラミ)
4.風疹
5.伝染性膿痂疹
この問題の答えは4の風疹ですが、
皮膚科学会の方から、2015年このような記事もでていますので確認します。
https://www.dermatol.or.jp/modules/basicauth/index.php?file=InfctsAndPool.pdf
とびひ
伝染性膿痂疹(とびひ)
「かきむしったところの滲出液,水疱内容などで次々 にうつります.プールの水ではうつりませんが,触れ ることで症状を悪化させたり,ほかの人にうつす恐れ がありますので,プールや水泳は治るまで禁止して下さい.」
とされています。
解説では、
米国 でも,プールの水を介した黄色ブドウ球菌の伝播の報 告はないとしており,水を介した感染拡大はきたさな いと考えられる.
しかし,黄色ブドウ球菌は感染力が 強く,直接接触による感染や,保菌者からタオル,プラスチック製品,木材などを介して間接的に感染拡大をきたしうるため,
治癒するまでタオル・ビート板な どの共有を含めプールの使用は禁止すべきである.
学校の出席に関しては禁止されていません。
アタマジラミ
頭虱については、
頭虱(あたまじらみ)
「アタマジラミが感染しても,治療を始めればプール に入って構いません.
ただし,タオル,ヘアブラシ, 水泳帽などの貸し借りはやめましょう. 」
と提言されています。
解説
アタマジラミはヒトの頭髪をしっかりと把持してお り,水の中に浸っても離れることはない.また,シラミを水,海水,塩水,塩素水に浸して動きをみたり, 患者に泳いでもらったりした実験でも,スイミングプールでアタマジラミの感染が拡散する可能性は低いと結論づけられている.
しかし,アタマジラミはプールの水の塩素濃度では死なず,水中でも数時間生存するというデータがある.
そのため,水泳中にアタマジラミがうつる可能性は低いが,タオル,ヘアブラ シ,水泳帽などを介した感染の可能性はあり,それらの貸し借りは避けるべきである.
とされています。
学校の出席に関しては禁止されていません。
以前このような記事も書きました。
感染症の出席停止に関連する問題は1-2問ですが、例年出題されています。
おわりに
いかがでしたか?
お読みいただきありがとうございました。
該当する設問を含む皮膚科専門医試験の過去問解説はnoteでも公開しています。