皮膚科がかかわる診療報酬について 水疱症編
デルマ侍です。
今日もお読みいただき本当にありがとうございます。
診療報酬の勉強を続けていきます。
血液検査での診療報酬
水疱症を疑った時、一括で調べたい、
そんなこともあるでしょうか。
抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体、抗BP180-NC16a抗体
3つの抗体の同時測定ができます。
490点。
他、採血をすることのコストとしては、
血液採取(1日につき) 1 静脈 35 点
+乳幼児加算(6歳未満) 25点
というものもあります。乳幼児加算は少ないと思いますが・・・。
水疱症の診断には、蛍光抗体法が必須となっていますので、
あくまでも抗体価は参考値、スクリーニングや病勢のフォローとして利用しましょう。
水疱症を疑うときに、この3点セットの血液検査を行なって、陰性だから、水疱症は否定された、のような、ヤブ医者皮膚科医にはくれぐれもなりませんよう・・・。
特に、患者数の多い、BP 類天疱瘡に関しては、一般の血液検査では
抗BP180-NC16a抗体
であり、一部分のみを認識しています。
DPP-4阻害薬関連のnon-inflammatory BPでは、NC16a以外に対する抗体をもっている可能性があり、一般の採血では陰性となりますが、
全長BP180 ELISAなどを実施するとひっかかることがあります。
全長BP180は、北大や久留米大学に研究としてお願いする必要があります。
(検査を希望される場合は各大学に各自問い合わせをお願いします。)
北大はこちらから
久留米大はこちらから
自己免疫性水疱症水疱症の血清学的検査依頼について | 久留米大学医学部皮膚科学教室
蛇足ですが、
水疱症を急性期に加療したときには、抗体価が治療に反応して下がってくるのは、グロブリンの半減期もあり、遅くに下がってきます。
つまり、抗体価は急性期には病勢を反映しません。
急性期の病勢評価にはPDAI BPDAIなどを活用しましょう。
(これは過去問既出です)
おわりに
話が半分以上脱線してすみません。
日常診療に役立つ小話もしていけたらと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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