抗酸菌培養について
デルマ侍です。
今日は抗酸菌培養について。
抗酸菌培養を出すのはどんなとき?
皮膚抗酸菌感染症を疑う臨床像はさまざま。
膿瘍が瘻孔が多いですが、
結節や丘疹でも鑑別に考えます。
皮膚真菌症やリンパ腫でもいろんな臨床系を示すので、
よくわからなくて治らない潰瘍や結節には、抗酸菌、真菌、リンパ腫などの悪性腫瘍、サルコイドーシスを常に鑑別に考えます。
SCCも、潰瘍や結節、どちらの臨床もとりますね。
自分は、どんな時も、上の鑑別は常に念頭に置くよう、トレーニングを受けました。
抗酸菌培養の出し方
滲出液が多い場合はそれを出します。
できるだけ多く。疑う場合は、何本か出してもいいと思います。
滲出液が少ない場合は、生検組織の一部分を組織培養として提出します。
やり方は、組織の一部を、生食をかけて11番メス(先刃せんじん、と言われるような先が尖っているもの)などで細かくミンチ状にし、生食に含まれた組織の浸出液を含めて提出します。
病院によって、真菌用と抗酸菌用のスピッツをわける場合や、1本のスピッツでOKで検査室で培地にそれぞれ植えてくれる病院とあると思います。(少なくとも自分が勤務した病院でもばらばら)
検査室や上級医に確認して提出してみてください。
培養結果がでるのは遅い
抗酸菌培養は、発育がゆっくりなため、培養結果がでるまでに時間がものすごくかかります。
患者さんにもそのように説明する必要があります。
早いもので数日 通常4-5週、遅いものは8週です。
検査室も8週までは保管して培養してくれます。
抗酸菌の種類によって培養スピードが違う
抗酸菌の種類により、
迅速発育菌と遅発育菌があります。
迅速発育菌は、 Mycobacterium abscessusやM.chelonae M.fortuitum など
遅発発育菌は、 結核と、M.kansasii M.marinum M.avium M.intracellulare など
などです。
培養できないのは?
らい菌は培養できません。
これについては過去問がありました。
過去問
皮膚科専門医試験の過去問では、こんな問題が出ていました。
2010-79 問題
次の抗酸菌のうち、培養ができないものはどれか。すべて選べ。
1.M. tuberculosis
2.M. bovis
3.M. leprae
4.M. marinum
5.M. avium
おわりに
いかがでしたか?
結核NTMハンセン病の過去問を並べてまとめて解説したシリーズを公開中です。
同じテーマの問題を一緒に勉強すると知識が整理されるのでこの勉強法はおすすめです。
noteもやっています。
お読みいただきありがとうございました。