化膿性汗腺炎!日本と欧米の違い〜皮膚科専門医試験対策〜
化膿性汗腺炎 日本と欧米の違い
・日本は男性に多く、欧米は女性に多い
(韓国も男性に多い。東洋人の特徴の可能性があり)
・発症時期 日本は中年、欧米は思春期
・後発部位 日本は臀部 欧米は腋窩、乳房、鼠径
・家族歴 日本は家族暦は少ない 欧米は30-40%家族暦あり
・重症度 日本の方が重症例が多い
・重症化因子 日本では糖尿病があると重症化しやすい
欧米では肥満、糖尿病、多毛、クローン病がリスク因子
今後使えるようになる可能性のある生物学的製剤
保険適応のbioはヒュミラのみ
セクキヌマブ、 リサンキズマブ、アプレミラスト、JAK阻害薬が治験中(治験後?)
他、IL-1β阻害薬、C5a阻害薬も治験中
皮膚科専門医試験過去問
皮膚科専門医試験でこれまでに出題された過去問をみてみます。
2017-33
問題 33
化膿性汗腺炎について正しいのはどれか.2つ選べ.
1. 慢性化しやすい.
2. 臀部に好発する.
3. 男性より女性に多い.
4. 糖尿病の合併が多い.
5. 抗菌薬は無効である.
答え12
1慢性化しやすいは正解
2 あたらしい皮膚科学など、昔の日本での定義は、慢性膿皮症と化膿性汗腺炎は別であり、イメージとし、
慢性膿皮症 男性に多く、主に臀部にできる
化膿性汗腺炎 女性に多く主に腋窩にできる
であったが、
海外に合わせると、化膿性汗腺炎が大きな病名と考える方がいいとされている。
ガイドラインを見ると、日本の場合、(これまで慢性膿皮症と言われていたものを含めて)【化膿性汗腺炎の半分が臀部】とされているので、正解
これがあたらしい皮膚科学だけ読むと、
【化膿性汗腺炎は腋窩に多いので×】になってしまう
3 日本では男性に多く、海外では女性に多い
試験的には日本の疫学を選ぶこと ×
4 細菌感染が主体ではない。糖尿病合併が多いわけではない ×
5 抗菌薬が汎用されるが、病態の首座は免疫異常である。× 抗菌薬を使うとしたら、ミノサイクリンなどの免疫調整作用がある抗菌薬がいい
【解答】2017年平成29年度皮膚科専門医試験全問解説|デルマ侍の皮膚科専門医試験解説note|note
2013-46
化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurativa)で誤っているのはどれか。
1.Acne inversa とも呼ばれる。
2.毛孔閉塞(follicular occlusion)が病態にかかわっている。
3.腋窩と臀部に好発する。
4.家族性症例では γ―セクレターゼ遺伝子に変異がある。
5.重症、再発例では TNFα 阻害薬は病状を悪化させる。○ →有効
【解答】2013年平成25年度皮膚科専門医試験全問解答|デルマ侍の皮膚科専門医試験解説note|note
おわりに
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2020年令和2年度皮膚科専門医試験全問題解説つき、別wordの勉強ノート付き
該当する年次の過去問解説はこちらから。
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第119回総会 EL3-1 乾癬と化膿性汗腺炎の抗体製剤
葉山 惟大先生 (日本大学医学部付属板橋病院皮膚科学分野)