デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説

専門医試験解答解説勉強対策絡みのこと全て包み隠さず

MENU

化膿性汗腺炎!日本と欧米の違い〜皮膚科専門医試験対策〜

f:id:DermaSamurai:20210525144033p:plain

化膿性汗腺炎 日本と欧米の違い

・日本は男性に多く、欧米は女性に多い

(韓国も男性に多い。東洋人の特徴の可能性があり)

・発症時期 日本は中年、欧米は思春期

・後発部位 日本は臀部 欧米は腋窩、乳房、鼠径

・家族歴 日本は家族暦は少ない 欧米は30-40%家族暦あり

・重症度 日本の方が重症例が多い

・重症化因子 日本では糖尿病があると重症化しやすい

欧米では肥満、糖尿病、多毛、クローン病がリスク因子

 

今後使えるようになる可能性のある生物学的製剤

保険適応のbioはヒュミラのみ

セクキヌマブ、 リサンキズマブ、アプレミラスト、JAK阻害薬が治験中(治験後?)

他、IL-1β阻害薬、C5a阻害薬も治験中

 

皮膚科専門医試験過去問

皮膚科専門医試験でこれまでに出題された過去問をみてみます。

 

 

2017-33

問題 33
化膿性汗腺炎について正しいのはどれか.2つ選べ.
1. 慢性化しやすい.
2. 臀部に好発する.
3. 男性より女性に多い.
4. 糖尿病の合併が多い.
5. 抗菌薬は無効である.

 

答え12

1慢性化しやすいは正解

2 あたらしい皮膚科学など、昔の日本での定義は、慢性膿皮症と化膿性汗腺炎は別であり、イメージとし、

慢性膿皮症 男性に多く、主に臀部にできる

化膿性汗腺炎 女性に多く主に腋窩にできる 

であったが、

海外に合わせると、化膿性汗腺炎が大きな病名と考える方がいいとされている。

ガイドラインを見ると、日本の場合、(これまで慢性膿皮症と言われていたものを含めて)【化膿性汗腺炎の半分が臀部】とされているので、正解

これがあたらしい皮膚科学だけ読むと、

【化膿性汗腺炎は腋窩に多いので×】になってしまう

3 日本では男性に多く、海外では女性に多い

試験的には日本の疫学を選ぶこと ×

4 細菌感染が主体ではない。糖尿病合併が多いわけではない ×

5 抗菌薬が汎用されるが、病態の首座は免疫異常である。× 抗菌薬を使うとしたら、ミノサイクリンなどの免疫調整作用がある抗菌薬がいい

 

 

【解答】2017年平成29年度皮膚科専門医試験全問解説|デルマ侍の皮膚科専門医試験解説note|note

 

2013-46

 

化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurativa)で誤っているのはどれか。

1.Acne inversa とも呼ばれる。

2.毛孔閉塞(follicular occlusion)が病態にかかわっている。

3.腋窩と臀部に好発する。

4.家族性症例では γ―セクレターゼ遺伝子に変異がある。
5.重症、再発例では TNFα 阻害薬は病状を悪化させる。○ →有効

 

【解答】2013年平成25年度皮膚科専門医試験全問解答|デルマ侍の皮膚科専門医試験解説note|note

 

おわりに

 

いかがでしたか?

お読みいただきありがとうございます。

noteもやっています。

note.com

2020年令和2年度皮膚科専門医試験全問題解説つき、別wordの勉強ノート付き

note.com

 

 

該当する年次の過去問解説はこちらから。

note.com

 

note.com

 

 

皮膚科専門医試験対策解答解説

皮膚科専門医試験対策

 

e-learning

第119回総会 EL3-1 乾癬と化膿性汗腺炎の抗体製剤

葉山 惟大先生 (日本大学医学部付属板橋病院皮膚科学分野)

Copyright ©デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説 All rights reserved.