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乾癬で使う生物学的製剤ルミセフ 真菌の副作用が多い

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デルマ侍です。

今日は

ルミセフについて。

ルミセフは真菌感染症の副作用が多いことで有名です。

試験対策としておさらいしていきます。

 

ルミセフとは

ブロダルマブ

剤形は210mgシリンジ

ヒト型抗ヒトIL-17受容体Aモノクローナル抗体製剤

です。

適応疾患は

尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎

 

禁忌は、

重篤感染症の患者

活動性結核の患者

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

TNFα製剤にあるような、脱髄疾患の禁忌はありません。(←過去問あり)

 

投与方法は

通常、成人にはブロダルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを、初回、1週後、2週後に皮下投与し、以降、2週間の間隔で皮下投与する。

0 1 2 4 6 8 10 ・・・・

 

※2本打ちなし

 

ルミセフの機序

ヒトIL-17受容体A に対する完全ヒト型 モノクローナル抗体

ヒトIL-17受容体Aに選択的に結合し、IL-17A、IL-17F、 IL-17A/F及びIL-17CのIL-17受容体Aを介した生物活性を阻害します。

IL-17製剤の中でも広く抑制するため、適正使用ガイダンスでも「真菌感染症、とくにカンジダ症は(以下略)、IL-17 シグナルを受容体レベルで広く阻害するブロダルマブでは最も高頻度で認められる。」と書かれています。

ルミセフの特定使用成績調査

 

ルミセフの添付文書に掲載されていますが、

副作用571例のうち

20%で副作用があるといわれています。

結構多いですね。

 

内訳は

3.17% 口腔カンジダ

1.76% 上咽頭炎

1.41% 発疹

1.41% 足白癬

1.06% 好中球減少

 

IL17絡みのため、真菌関連の副作用が多いです。

 

黄色ブドウ球菌も注意

適正使用ガイダンスより以下

黄色ブドウ球菌感染症も IL-17 阻害によって生じやすい副作用の 1 つであり、皮膚や粘膜を中心として種々の炎症や膿瘍を生ずる可能性がある。起炎菌は同定されていないものも多いた めブドウ球菌とは限らないが、皮膚は表在性や付属器の感染だけでなく、蜂巣炎の報告も多 いので注意が必要である。」

 

黄色ブドウ球菌について、選択肢で今後しれっとでてくる可能性はありそうです。

 

過去問

皮膚科専門医試験過去問でも出題がありました。

 

2019-2

45 歳の女性.尋常性乾癬に対して抗 IL-17A 抗 体の自己注射を続けている.最近,舌のほぼ全面に 白苔が出現し,違和感があるため受診した.乾癬の 悪化はない.適切な治療はどれか.

1.抗菌薬を投与する.

2.抗 TNF-α 抗体へ変更する.

3.抗真菌薬を口腔内に投与する.

4.イソニアジド(INH)予防投与を開始する.

5.生物学的製剤を中止し,PDE4 阻害薬を使用する.

 

答え3

 

2020-31

慢性皮膚粘膜カンジダ症を発症する遺伝子 異常はどれか.

1.IL12A

2.IL17F

3.IL22

4.IL23

5.TNF

 

ガイダンスにも「IL-17 は生体内で真菌防御に重要なサイトカインであり、IL-17 やその受容体の遺伝子異常が 慢性皮膚粘膜カンジダ症の原因となり得ることも示されている。」との記載があります。

 

 

おわりに

ルミセフのおさらいをしました。

にっぴかいが発行するガイドライン、ガイダンス、指針はやはり重要ですね。

 

乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス (2018 年版)はこちら。

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/news/J20190219_gaid.pdf

 

 

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【解答】2010年平成22年度皮膚科専門医試験全問解答解説

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お読みいただきありがとうございました。

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