膿疱性乾癬に関して。
特にカルシウムの部分が気になったので、ガイドラインをみてみました。
過去問
2017-19
汎発性膿疱性乾癬に関する皮膚科専門医試験の過去問をみてみます。
汎発性膿疱性乾癬でみられやすい異常はどれか.
1.IgG 低下
2.高蛋白血症
3.白血球減少
4.低カルシウム血症
5.リウマトイド因子陽性
膿疱性乾癬診断基準と参考基準
膿疱性乾癬の診断基準を確認する。
主要項目
1)発熱あるいは全身倦怠感等の全身症状を伴う。
2)全身又は広範囲の潮紅皮膚面に無菌性膿疱が多発し、ときに融合し膿海を形成する。
3)病理組織学的にKogoj海綿状膿疱を特徴とする好中球性角層下膿疱を証明する。
4)以上の臨床的、組織学的所見を繰り返し生じること。ただし、初発の場合には臨床経過から「3.膿疱性乾癬(汎発型)の除外項目」記載の事項を除外できること。
診断のカテゴリー 以上の4項目を満たす場合を膿疱性乾癬(汎発型)(Definite)と診断する。 主要項目2)と3)を満たす場合をProbableと診断する。
膿疱性乾癬(汎発型)診断の参考項目
1)重症度判定及び合併症検索に必要な臨床検査所見
(1)白血球増多、核左方移動
(2)赤沈亢進、CRP陽性
(3)IgG又はIgA上昇
(4)低蛋白血症、低カルシウム血症
(5)扁桃炎、ASLO高値、その他の感染病巣の検査
(6)強直性脊椎炎を含むリウマトイド因子陰性関節炎
(8)肝・腎・尿所見:治療選択と二次性アミロイドーシス評価
2017-19の答えは4 でした。
膿疱性乾癬ガイドラインより
膿疱性乾癬(汎発型)の診断においては, 臨床・病理組織検査を除いて,疾患特異性の高い検査 項目がない.
旧診断基準において主要項目にふくまれていた諸検査項目は,臨床統計の結果,十分な特異性 と鋭敏度があるとは言えないので*,主要項目から外し,参考項目に入れた.
しかし,これらの検査は病態, 重症度や合併症を判定するために重要な検査項目であり,実施することが強く望まれる.
→
*第 3 回全国調査結果での鋭敏度は,白血球増多;65%,赤沈亢 進;67%,CRP 高値;81%,低カルシウム値;12%であった. ASLO や免疫グロブリン値は未記入が多くデータの解析ができ なかった.
膿疱性乾癬ではカルシウム低下が見られることもあるが、特異度は低いし、鋭敏度も低いということです。
ただ、どういう機序の推察でカルシウム低下が引き起こされるのか、よくわかりませんでした。また調べてみようと思います。
膿疱性乾癬汎発型は指定難病です。
おわりに
お読みいただきありがとうございました。
参考文献:
膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン 2014 年度版