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新生児エリテマトーデス  NLE

 

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デルマ侍です。

新生児エリテマトーデスについて、勉強していきます。

 

 

新生児エリテマトーデス  NLE Neonatal lupus erythematosus

 

・母親の自己抗体が胎盤を介して胎児および新生児に障害を与える

・SS-A抗体陽性の母親から出産された子供がNLEを発症する確率は52%

・日本人では、皮膚症状を伴うNLE児の親は、HLA-DRB1*1101/DQA1*0301ハプロタイプの頻度が高い

 

・皮膚症状の発症機序

日光により表皮細胞に発生したSS-A抗原に抗体が結合→活性化したリンパ球が抗体依存性に細胞障害をきたす

 

特徴 

・出生時に20%が皮膚症状あり

・多くが生後1ヶ月までに発症

・露光部に環状紅斑

・病理はDLEに似る

DIF 50%で、BMZにIgG C3が線状にに沈着

 

皮膚症状に対しては

・生後6ヶ月ごろに自然消退する

・経過観察、遮光

 

重篤な合併症

・先天性心ブロック

発症すると不可逆的な経過

50%が新生児期のペースメーカーを要する

・妊娠18-26週頃、1-2週間おきに胎児モニタリングを行い、必要な場合デキサメタゾンやベタメタゾンを投与すること

 

皮膚科専門医試験対策解答202020212019

皮膚科専門医試験対策

 

参考文献

Norris DA:J Invest Dermatol 100:58S,1993

Miyagawa S, et al:J Invest Dermatol 108:881,1997

Cimaz R, et al: J Pediatr 142: 678,2003

吉田春奈、他:臨皮74,1046-1050,2020

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