デルマ侍です。
以前自分がぽつりとつぶやいたツイートですこし話題にあがったものを少しだけブログにします。
ネモリズマブ
IL-31受容体モノクローナル抗体 ネモリズマブ
結節性痒疹での弛緩が海外や日本で進んでいます。なかなか有効的なようです。
痒疹に、実臨床ではネオーラルや光線を使うことよくあると思いますが、なかなか治らないし、
特に結節性痒疹はかなり難治な印象があります。。。
ドレニゾンテープを使うこともありますが、数が多いと追いつかない。
ネオーラルは痒疹には適用外使用なので悪しからず。ガイドラインでもネオーラルx痒疹は推奨度C1です。
何度もお話してますが、ガイドラインは皮膚科専門医試験対策において、肝腎要の肝肝です。(特に推奨度がBかCか)
痒疹のガイドラインには専門医委員の室田先生が入っています。
【皮膚科専門医試験試験】専門医試験委員の先生方を徹底リサーチ|🌈デルマ侍🌈皮膚科専門医試験解説📖|note
ネオーラルについてはこんな記事も書いています。
乾癬治療でのネオーラル トラフ値の目安 - デルマ侍の皮膚科専門医試験 解答徹底解説
今、日本でも、2相、3相で治験中なのですかね。
nemolizumabの結節性痒疹患者に対する第Ⅱ/Ⅲ相試験-比較/長期継続投与試験-|関連する治験情報【臨床研究情報ポータルサイト】
NEJM ネモリズマブ
2020年にNEJMで記事が載っていました。
Ständer S, et al:N Engl J Med. 2020 Feb 20;382(8):706-716
70名の重度のそう痒をともなう中等症~重症の結節性痒疹の患者に対してネモリズマブを皮下投与したものです。
ちなみにこれ、4-8週間しか投与していないようです・・・・。
18週時点、最終投与から10週後では、ネモリズマブ群患者さんの38%がPNの症状が「消失またはほぼ消失」
対してプラセボ群での改善率は8%(p値=0.001)。
有害事象は今のところ、腹痛、下痢など
38%も「消失またはほぼ消失」≒ 改善傾向にある とは結構すごいです・・・実際にみていてめちゃくちゃ難治なのに・・・・
痒疹は結構難しいなあ奥が深いなあと思っている疾患です。
痒疹とIL-31
結節性痒疹では、IL-31受容体の発現が現状人よりもかなり高く発現していることがわかっています。
IL-31は、Th2から分泌され、
痒みを誘発したり、痒みにかかわる神経を伸長することが知られています。
皮膚科専門医試験ではサイトカイン問題も出題ありますね!
ネモリズマブはアトピーでも臨床治験が行われています。
また、痒疹に対するネモリズマブはFDAでブレイクスルーセラピーとして注目されています。
今後の結果が気になるところです。
自分はこの治験に一切関わっておりませんのであしからず。
breakthrough therapy
こういう単語をみると、専門医試験の記述ででるかな?のようなことを毎回考えてしまうのですが、これはでないかな・・・。
ちなみにちなみにprurigoは日本語読みだと、プルリゴですが、英語発音はプルライゴです。(カタカナだと、ピュゥーライゴが近いかな)
プルデンシャルのプルゴリを思い出してしまいました。
皮膚科専門医試験過去問
IL-31は2019年の過去問で登場します。
2019-17問題
アトピー性皮膚炎の痒みに直接関与すると 考えられているサイトカインはどれか.3 つ選べ.
1.IL-4 2.IL-5 3.IL-13 4.IL-31 5.IL-36
ほかのサイトカイン、インターロイキンの過去問も並べて解説しています。
答え134
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おわりに
いかがでしたか?
ネオーラルについてはこんな記事も書いています。
noteもやっています!
専門医試験対策情報や一皮膚科医として日々感じる日常などを綴っています。
専門医試験を作っている先生方はどんな先生なのか。
リサーチしています。
アトピーxネモリズマブはまた後日記事にしています。
今日もお読みいただきありがとうございました。
参考文献
Ständer S, Yosipovitch G, Legat FJ, Lacour JP, Paul C, Narbutt J, Bieber T, Misery L, Wollenberg A, Reich A, Ahmad F, Piketty C. Trial of Nemolizumab in Moderate-to-Severe Prurigo Nodularis. N Engl J Med. 2020 Feb 20;382(8):706-716. doi: 10.1056/NEJMoa1908316. PMID: 32074418.
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/yoshinGL2020.pdf