デルマ侍です。
今日はクロルヘキシジンについて。
クロルヘキシジンと接触皮膚炎について
クロルヘキシジンは、接触皮膚炎をきたしやすい疾患としてガイドラインでもあげられています。
市販のもので、クロルヘキシジンが入っていて、覚えておくべきは、
口腔内洗浄のコンクールと
オロナイン軟膏だと思います。
また、トローチや目薬市販のものにも含まれている製品もあります。
一時期、コンクールは粘膜口腔内で使うので、吸収がはやく、重度のアレルギー症状をきたしている症例が地方会などで発表されているのをみました。
また、クロルヘキシジン含有の目薬で即時型アレルギー症状をきたした例が論文報告されています。
時々オロナイン軟膏でかぶれる患者さんがいますが、オロナイン軟膏で感作されたのち、コンクールでうがいをすると最悪です。
クロルヘキシジンによる即時型アレルギーの報告
クロルヘキシジンによる即時型アレルギーの報告
永島和貴,他:臨皮 69:993-996,2015らの論文によると、
クロルヘキシジン含有の
①パブロントローチ (大正製薬)での即時型アレルギー(30分後)
②うがいぐすり-S (山之内製薬)での即時型アレルギー(10分後)
③ティアリッチ目薬 (第一三共)での即時型アレルギー(直後)
があげられていました。
①に関しては感作経路不明、②はトローチか消毒剤、③はオロナイン軟膏によると推測されていました。
クロルヘキシジンと熱傷
クロルヘキシジンについては、熱傷ガイドラインにも記載があります。
以下引用
熱傷の感染予防に消毒は有効か?
推奨文:感染の起因菌や各薬剤の抗菌スペクトルと 創の状態とを合わせて検討し,消毒を行うことを選択 肢の 1 つとして提案する.
推奨度:2B
解説:
熱傷に対する消毒薬の有効性については,スルファジアジン銀単独群とクロルヘキシジンを併用した群でのランダム化比較試験が 1 編あり,エビデンスレベル II である.
創部の黄色ブドウ球菌の定着頻度が減少することが示されているが,予後を改善させるか どうかは不明なため,推奨度 2B とした.
熱傷の創部に対する消毒については様々な意見, 報告があり,いまだに議論の分かれるところである. 本邦においては熱傷ではクロルヘキシジンもしくはポピドンヨードを用いるとする意見がある一方、消毒自体すべきでないとする意見もある。
以上
消毒をするかしないかについては賛否両論ですが、
推奨度が2Bなことは出題されてもいい(推奨度問題は出しやすい)ので記憶します。
おわりに
お読みいただきありがとうございました。
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お読みいただきありがとうございました。
参考文献:
永島和貴,他:臨皮 69:993-996,2015
寺前佳洋子,他:皮膚 37 : 683, 1995
米山 啓,他:臨皮 56 : 106, 2002