ステロイドの問題 2009年皮膚科専門医試験より
デルマ侍です。
今日もまた、ステロイドについて。
過去にこのような記事を書きました。
皮膚科専門医試験の過去問で、このような問題も出題されています。
過去問
2009-57
ステロイド治療について正しいものはどれか。2つ選べ。
a.経口から静注に変更するとき、経口より多めの量が必要である。
b.リファンピシンは、ステロイドの代謝を抑制する。
c.プレドニゾロン5mg日以上の量を、3ヶ月以上投与する場合にはビスフォスフォネート製剤の内服が必要である。
d.生理的なステロイド1 日分泌量(コルチゾール20mg)は、プレドニゾロン10mgに相当する。
e.ベタメタゾンは胎盤を通過しない。
答え ac です。
リファンピシンはステロイドの代謝亢進させるため、ステロイドの効果が下がります。
生理的なステロイド1 日分泌量(コルチゾール20mg)はプレドニゾロン2.5mg/日程度、ヒドロコルチゾン10mg/日程度 とされています。
1日の生理的分泌量は、文献にもよりますが、コルチゾール10mgというものが多いように思えます。
昔はコルチゾール20mgと言われていたこともあったようであるようです。
コルチゾール10mg=ヒドロコルチゾン10mg=プレドニゾロン2.5mg
コルチゾール20mg=ヒドロコルチゾン20mg=プレドニゾロン5mg
「生理的なステロイド1 日分泌量(コルチゾール20mg)は、プレドニゾロン10mgに相当する。」
は、1日の分泌量はコルチゾール10mgで、プレドニン2.5mg相当
コルチゾール20mgは、プレドニゾロン5mgです、という問題でした。
リンデロンは胎盤を通過し、PSLは胎盤で不活化される、ということは覚えておく必要があります。
リンデロン(ベタメタゾン)は胎盤を通過するからこそ、早産児で肺の成熟を促すため30週前後の切迫時などに投与します。ただ、血糖がバカ上がりするのでもれなく糖尿病内科のお世話になります。
子供への影響を少しでも考えるなら、
妊婦への外用剤もリンデロンVG軟膏などをだすよりは、マイザー軟膏のほうが安心かもしれません。
少量のステロイド外用であればまず問題はありませんが・・・
妊娠中は普段より驚く量のコルチゾールが体内では産生されてますし。
おわりに
いかがでしたか。
お読みいただきありがとうございました。
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