皮膚科医ならみんな知ってる京大名誉教授の宮地良樹先生。
京大ご出身で、群馬大皮膚科教授を経て、京大皮膚科教授にご就任されたようである。
(宮地先生は、ミヤチ先生である。ミヤヂ先生ではない)
日々の診療や計画に忙しくて、論文なんて書く暇がない。そんな先生も多いと思います。
論文を書くことの大事さ
論文を書くについて、
宮地先生のご意見として、このようなエピソードが紹介されています。
京都大学名誉教授 宮地先生
まだ研修医だった宮地先生は、同期の古川福実先生と競うように日本語の論文を書いておられたようで、なんと皮膚科1年目のときに、10本を超えたようです。
当時のボスはなんとこれまたあの有名な太藤重夫先生が教授で、
日本語論文を見せようとした先にこう仰ったとのこと。
「たくさん邦文論文を書いているのはいいことだが、それを読んでくれるのは日本人の皮膚科医どけだ。
英語で書けばその数十倍の皮膚科医が読んでくれる可能性がある。
だから10編の邦文論文を書く時間があるのなら、1編の英語論文を書きなさい」
すごくガッテンがいく、染み渡るお言葉です。
英語はもはや世界共通語です。いまやDeepLなどもかなり発達しているので、英語で論文を書くこともだいぶハードルが下がっています。
宮地先生は、若い医師たちに「将来報告は基本的に英語で報告するように」とおっしゃられているようです。
…
そうは言っても英語で書くのはなかなかハードルが高い先生も結局多いですよね。
群馬大の茂木先生は雑誌、臨床皮膚科のマイオピニオンの中で、このようにおっしゃられています。
群馬大の茂木先生 臨床皮膚科 マイオピニオン
以下
論文を書くことは臨床には意味がない、なんてことはない。
皆さんが書いた論文を世界のどこかの国の医師や患者が見て、参考に治療するかもしれない。
皆さんの論文が目の前にいない世界中の多くの患者を救うことにつながる。
ひとつひとつの症例を大切にし、症例から学んだことを論文として報告することは、間接的な医療行為であり、責務である。
以上
まとめ
日々の仕事で忙殺されそうですが、
この言葉も忘れずに。論文も書いていこうと思います。
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参考
茂木精一郎、臨皮:75(1),10-11,2021
宮地良樹、J Visual Dermatol 13:1368-1369,2014
宮地良樹、J Visual Dermatol 13:1416-1418,2014